少し前まで、私が一番利用するエアラインはJASだった。
運賃が一番安いし、最新の777には各席にモニターがついていて退屈しなかった。
また、スーパーシート以外にレインボーシートというやや広めの座席があり、1000円で利用できたりした。
ANAもJALも、国内便にはそれほど熱心ではないというイメージも重なり、ほとんど利用しなかったと言うのが実情だった。
なのに、昨年の春、JASはJALに実質的に統合され、何となく使いづらいエアラインになってしまった。
しかもJクラスなどという、わけわからん座席がスタンダードに。
で、今さらJALに乗る気にもなれず、最近はもっぱらANA利用になったというわけだ。
そうそう昨日の京急羽田空港駅の話を思い出した。
第一ターミナルは一番後ろの階段、第二ターミナルは一番前とたくさんの係りの方があちこちで道案内をしていた。
その人にあるオバさんが質問している。
「ええと、こっちへ行ったらどこに出るのかな」
「はい、あちらが日本航空とスカイマークエアライン、それにスカイネットアジア航空、で、こちらが全日空とエアドゥとなっています。」
「ああと、そしたら、JASに乗るにはどうしたらええのかな」
「JAS?JASですか、ええとですね?」
係員は暫く考えていた。
そういえば、JASはどこへ行った?と考えているようだった。
私は苦笑をしながら、その横を通り過ぎた。
確か、今年の春には、機体からJASのマークも、レインボーマークも消えると言われていた。
なのに、2004年も終わろうとしているのに、いまだにJASのマークは健在だ。
昔からJASしか飛んでいなかった地方の人は、JASはどちらに行けばいいと聞くはずだよなあと思った次第。
係員がとまどったのはよくわかる。
多分、JASがどこにあるか、などという問答集がマニュアルになかったのだろう。
航空関係者には、もはやJASなど消えてしまっているのだ。
昨日書いた社内のゴタゴタだけが、燻り続けながら今もあるのだろうが。
JASって、搭乗員も含めどこかあか抜けしない対応で私はわりと好きだったのだが、安部邦雄