しお煎餅、別名ぽん煎餅。
小ぶりの物を袋に入れて「満月ぽん」なんて名前で商品になっているものもある。
どうも関西系の人しか知らない駄菓子のようだ。
私は逆にソース煎餅とかあまり知らない。東京の駄菓子を見てもあまり懐かしくないので、日暮里あたりに問屋があるそうだが、行こうという気にならない。
しお煎餅と言っても、関西でも作っているところは少なそうだ。
住吉に1?2件、後、兵庫県の方でも1?2件ありそうである。
沖縄の那覇で、土地の名物という煎餅が同じ形をしていたので買ったが、少し塩辛いように思えた。
いわゆる似て非なるものである。
しお煎餅(ぽん煎餅)を知らない人に簡単に説明。
大きさは南部煎餅(岩手名産、知ってます?)と同じぐらいで、原料は主に小麦粉(関西ではメリケン粉と言った)。
しお煎餅というぐらいだから、塩を入れたりもするんだろうが、基本的には醤油を入れる。
後は、海老の粉入れたり、何か適当な味付けをして、型にはめて焼く。
子供の頃、近くの家が内職でやっていたのでよく見た光景だ。
当時で1枚1円。駄菓子の王様だと私は思っていた。
しお煎餅にも味のバラエティは色々あったが、今は醤油味しか作っていないようだ。
海苔がふってあって、お好み焼きみたいなものもあった。
駄菓子屋がなくなったこともあって、作るところも減っていった。買う人もいなくなったともいえる。
今も、私はこの塩煎餅が好きなのだが、東京では全くお目にかかれない。
それらしいところは軒並み覗いてみたが影も形もない。
大阪だって、今では買えるところは少ないから、東京で売っているはずもないのかもしれない。
たまに大阪へ行ったら、この塩煎餅を買うようにしている。
今の所、売っている店を5ケ所知っている。でも一時より2ケ所減ったのが残念。
このままなくなってしまうのだろうか。
「昔、懐かしい味」なんて看板も出ているところもあり、その内懐かしいとも思わない世代が中心になるとなくなるかもなあ。
東京にあってほしいものがもう一つある。
それは青ネギだ。関西ではネギと言えば基本的にこの青ネギを指す。
東京でいうネギは普通白ネギ、或いは東京ネギと呼ぶ。
オデンを関東炊きと言うのと同じ構造だろう。
この青ネギ、東京ではめったにお目にかかれない。
九条ネギと書かれて売っていたりする。九条とは京都の九条から来ているのだろうが、これが青ネギにしては余りにも高い。
1把100円もしないのが青ネギだ。ネギ焼きではこの青ネギを使うから、いやと言うほど、ネギが入っている。
東京では、このネギ焼きを商売にするのは無理だろう。
安いネギが手に入らない為、1枚1000円以上になる。これは駄菓子の一種でもあるから、そんな値段じゃ誰も食べる気がしなくなる。(ネギとこんにゃくしか入ってないんだから)
月島のもんじゃ焼きのおばさんが、大阪の十三で食べたネギ焼きがとてもおいしかったが、材料が手にはいらないので諦めたと聞いたことがある。
他にも東京に来て食べられなくなったものがあるが、食べられないと思うと、書きながらイライラしてきたので、今日はこれぐらいで、箸を置くことにしたい。
あー、徳家のはりはり鍋も食いたいぞー!(新宿西口の屋上看板は何の為にあるんやー!思い出すからやめてくれー!)
箸ではなく、ペンだった?安部邦雄