私は今、このホームページ内に「安部邦雄全仕事」という欄を書き続けている。
FM大阪時代の自分の仕事をデータベースとして残そうというのがその趣旨なのだが、この時役に立っているのが、FM大阪の社内報である。
普通はこんなもの捨てるよと言われそうだが、私は何故か記念にファイルしておいたのだ。
第一号は昭和53年(1978年)12月に発刊されている。
放送が始ってから8年後だ。
当時の社長が「まだなかったのかとびっくりしている」と書き「みんなが理解しあう手立てとしてほしい。」とその効用を説かれている。
それまでは、60人ほどの小さな会社に社内報なんかいるのか、ということで発行されなかったのだろう。
出すとなると、これはこれで大変な作業だからだ。
ただ、この社内報なのだが、私は昭和63年(1988年)までしか手許にない。
ちょうど、この頃私が東京に転勤した為かと思ったが、社員である以上もらえないはずはなく、おそらく発刊をやめてしまったのだろうと思われる。(社内報ではなく、社内ニュースというのが、しばらく発行されていたが)
ただ、東京支社レポートを執筆した記憶があるので、やめたとしてもこの後暫くしてからだと思う。
さて、社内報が重宝していると言う話の続き。
人間というのは記憶違いというのは避けられないが、こういう過去の記録はそれを修正するのにとても便利なのだ。
これを参考にしながら一番感じることは、時間の錯誤である。つまり、ある出来事とある出来事の起きた時が、何故か記憶の中ではひっくり返ったりしているのだ。
しかも6ヶ月しか続かなかったと思っていたことが、何と2年も続いていたとか、その時の番組アシスタントだと思っていた人が6年も後の別番組だったとかである。
そういえば、その時からやっていたら、あの子もっと年とっているよなあ、などと思ったりする。
データベースって本当に大事である。
こういうものなしに、例えば社史を編纂するとなると、これは雲を掴むような話になる。
今までの社員をひとりひとりインタビューしてまわっても、記憶の誤謬がそれぞれ発生する。
何が真実かわけわからなくなる。
編纂委員はその内思うはずだ。こんなの出来るわけない、と。
その点、社内報があれば、おおよその流れはつかめる。
インタビュー中にも、その記憶間違いを指摘することもできる。
とにかく、社内報と言うのは思った以上に貴重なデータベースなのである。私が言うのだから間違いない。
で、社内報を出さなくなった私の前の会社。
30年の節目にも社史は出さなかったようだ。
おそらく出したくても出せないのだろう。何しろ、わけわからなくなるはずだから。(出していて、私が知らないだけならごめんなさいね。)
今、社内報をバカにしている皆さん、或いは、これからを出すかどうか迷っている経営者の皆さん。
社内報はデータベースです。
メールマガジンの形式でもいいから、発行すべきです。
短いスパンで考えたら、何だこんなもの!でしょうが、長いスパンで考えたら、絶対あったほうがいいですよ。
ところで、肝心のわたしどもの会社ですが、創業この方、一度も社内報など出しておりません。
一時、友の会会報誌などを作っていましたが、3号ほどでやめてしまったし。(会社にパソコンを導入したのは会報誌制作のためでした。当時は50万円もしたんですよ。)
今からでも遅くないから、うちも作ろうか?書いてみる?管理人、どう?
おい!返事ぐらいしろ!
総務部山口六平太ファンだった、安部邦雄