近頃、このサイトの管理人が仕事の途中で銭湯に行くようになった。
「ちょっと、風呂行ってきます。」「あ、行ってらっしゃい。」
変な会社である。
出社の前にも風呂屋に寄ってくるらしい。事務所ですれ違ったら、石鹸の匂いがぷーん。ま、好きにしなよ、毎日暑いし。
私も銭湯は大好きである。大阪の生まれ育った家には風呂がなかった。家の裏に銭湯があり、なくてもほとんど不自由しなかった。
40年ぐらい前は、別棟で湯屋が立っていた。マキを焚いて風呂を沸かしていた。大きな湯屋で、時々蛇が顔を出したりする。
冬は寒いので、使ったり使わなかったりで、風呂釜が壊れたのを幸い、湯屋ごとつぶしてしまった。今は実家の駐車場になっている。
私の家族はたいてい風呂屋に行くのが好きなようである。狭い風呂は苦手なのだ。
とはいえ、銭湯は今や斜陽産業。
実家の裏にあった銭湯もマンションに変わってしまった。実家に帰ったときはしかたなく、やや遠い銭湯まで風呂桶を小脇に抱えて通う。
実は先ほどまで銭湯に行っていて、今帰ったところ。
お客さんは3人。未来なさそうな業界である。
大阪の銭湯は洗髪代を10円別にとる。
昔は女洗髪代と書いてあったが、男の長髪が流行りだしてから、女だけではなく、男からも徴収するようになった。
私は、気分悪いので、洗髪代なんかなるべく払わないようにしている。
東京のように風呂代にインクルードすればよいのに、認可事業の悲しさ、ルールの変更が容易にできないようだ。
毎年値上げが繰り返されるが、客は増えず、子供は誰も後を継がず、もうどうしようもない業界である。
お上だよりの業界はどこも同じようなものだ。
洗髪代については漫画的な話もあったが、その話はいつか又。
おさかなになった、安部邦雄