「作る会」の教科書に、伝仁徳天皇陵が世界一の墓だなどと書いている。
広さにおいては確かにそういう言い方をしても間違いではない。
広義で言えば、秦の始皇帝陵 の規模は仁徳天皇陵の比ではないが、本体自体は世界一といってもいいかもしれない。
国粋主義というか、日本マンセーの人たちにとって、このように日本は歴史的にも凄いんだという例証にもなるのだろう。
しかし、国粋主義者なら伝応神天皇陵のことも忘れて欲しくない。
伝応神天皇陵は、容積において仁徳天皇陵よりも大きいのである。
規模は確かに仁徳天皇陵の方が広い。しかし、盛った土の量で言うと、応神天皇陵の方が大きいのである。
国を思うのであるなら、応神天皇陵のことも書いてほしい。
外国と比べて日本の方が大きいなどと、井戸の中の蛙的発想でそう主張したいのなら、その井戸の中に、応神天皇陵も見方によれば仁徳天皇より大きいことぐらい気づいてほしかった。
もうひとつ言えば、私が伝仁徳陵というように、歴史学的に言って古事記や日本書紀で描かれた仁徳天皇と、陵に葬られた人物が同じである確率はきわめて低いという。
応神天皇もしかり。
どちらも本当にいたのかどうかわからない存在である。確かにそれに近い人はいたと思う。
あんなどでかい古墳を造れる人物の勢力は途方もないものであったろう。
だが、それが仁徳と言われる人物とも応神と呼ばれた人物ともおそらく特定できないのは確かなことだ。
古墳フリークの私としては、「作る会」の連中に言いたい。
どうせ無茶苦茶書くなら、伝応神天皇陵のことも書け。
古代史フリークに馬鹿にされるような記述をするな。何も知らないのなら、教育に口出すな!教育にイデオロギーを持ち込むことの愚を知らねば、やっていることは日教組と同じではないか。
あほちゃうか。
あほちゃいまんねん、パーでんねん安部邦雄