コンビニで三ツ矢サイダーのボトル瓶が置いてあった。
昔の味の復刻版のようだ。
ちょうど、コカ・コーラのクラシックみたいなものか。
飲んでみると、その味には心当たりはない。
むしろ、ラムネの味に近い。何だ、買って損した、という気分。
私の記憶している三ツ矢サイダーは昭和30年代の頃の味。
私の母の父(血の繋がりで言えば私の祖父)の家に行くと、決まって出されたのが、三ツ矢サイダーだった。
サイダーの中でも高級品である。
大人は朝日ビール、子供は三ツ矢サイダーというところか。
当時の私が飲める物と言えば、普段はミカン水だった。
ミカンの汁が入った、甘ったるい飲み物である。
ただし、色は透明。ポンジュースとは似ても似つかないので誤解なきよう。
それが5円ぐらいだったかな。
10円出すとラムネが飲める。ラムネはもともとレモネードが訛ったもの。このレモネードの作り方をまねてミカン水ができたのだろう。
ラムネ(レモネード)にレモンが入っていたのかどうかわからないように、ミカン水にもミカンが入っていたかどうか定かではない。
で、三ツ矢サイダーは30円もした。
とても子供が気軽に買える飲み物ではなかったことがわかるだろう。
三ツ矢サイダーは当時三ツ矢飲料とかいう大阪の会社が作っていたはず。
いつのまにか、朝日飲料に吸収されて<イチローバージョン>などというものを出すようになっている。
イチローが三ツ矢サイダーを飲む度に「似合わねー!」なんて思ったりした。
三ツ矢サイダーは母の父の家での上等な飲み物という印象が今も消えない。
あんなに爽やかにスポーツの後飲み干すものではない。まだ、キリンレモンの方がそれにふさわしい。(こちらはあまり見かけないですねえ。どうしたのかなあ。)
等と書いていると、暑いので咽が乾いて来た。
何か買って来ようかなあ。やっぱ、三ツ矢サイダーにしようかなあ。
でも、買って来たのはサンガリアのラムネ、安部邦雄