大阪で営業マンやっていた時、広告代理店の人によく言われた言葉がある。
「安部さんは変わっている。たいていの放送局の人間は、何かエエ話おませんか、ゆうてやって来る。安部さんは、たいてい自分から、この前ねえ、こんな話聞いたんですよう、どう思います?と言い出す。忙しい時は、そんなん知るかで終わりやけど、ヒマな時はええ話し相手やった。」
確かに営業時代、あまり邪魔扱いされた記憶はない。
相手が忙しそうにしていたら、又来ますと言ってさっさと帰った。今も、スタンス的には当時とほとんど変わらない。
やっぱり、こんな話知ってます?と言って、話しかけるのが多い気がする。
私の知る限り、放送局の営業マン(に限らないが)のほとんどが、代理店に行って「何かええ話おまへんか?」を口癖にしていたようだ。
とりあえず挨拶がわりなのだろうが、代理店の人間にはさもしい存在に見えたのかもしれない。
御用聞きなのだから、「何か御用ございませんか?」と聞くのは当たり前なのだが、やはり放送局の人間だから、もっとクリエイティブな問題提起はないのか、ということだったのだろう。
私は、確かに「何かええ話ない?」と自分から問いかけることはなかった。
そんなもの、あるんだったらとっくに相手が言ってくれているはずだ。
むしろ、この「ええ話」というのは、向こうが隠して他局とやりかけている話に、うちも一丁かましてくれというニュアンスでとったほうがいいのかもしれない。
おいしい話に、是非うちも参加させてほしい、という意思表示なのだろう。
しかし、聞くのは勝手だが、おそらくこんな問いかけだけで相手がええ話を持ちかけてくれるはずはない。
少なくとも私はそう思っていた。
だから、私は問いかけなかった。無駄な会話だ。
とはいえ、こんな無駄な会話を今もよく耳にしている。放送局の人間は何故こんなに受け身なのだろう。
もっとクリエイティブな営業をしろよ。これからの時代に生きていけないぞ!
そうなのです。
今の体質では、放送局はこれから先生きていけません。
これはどの部署でも同じのようです。編成も制作も体質は古いまま。
遠からず淘汰されるしかありません。こんな会話が生き残っているようでは世も末でしょう。
放送局の寿命は2005年までだと私は睨んでいます。
根拠はここでは述べません。そのうち、インターネット私見で語ると思います。
放送局の皆さんはそれまでに、少しはクリエイティブに聞こえるような会話力を、身に付けて下さいね。
あ、そこの社長さんも一緒ですよ。もっと勉強してもらわないと、社員はみんな路頭に迷いかねません。
OBとしてとても気になるので、よろしくお願いしますね。
誰でも社長が出来た時代は終わり?!安部邦雄