8/14のこの欄でも紹介したロバート・キヨサキ著『金持ち父さん 貧乏父さん』に取り上げられていたのが「年とった犬には、新しい芸は教えられない」という諺。
意味は字の通り。
犬に芸を教えるためには、子供のうちにしつけておかないとダメ。大きくなってから覚えさせるのは大変な作業だということだ。
日本の構造改革問題とこの諺、無関係ではなさそうである。
公共事業を削減することによって、大量に建設労働者が失業するのは必然だという。
その為の受け皿として、IT関連の事業を振興させようという方針が立てられているのだが、果たしてそんなにうまくいくのだろうか。
建設労働者を再教育してIT関連事業に従事させることが、そんなに簡単にできることなのか、という問題提起も出て来ている。
年とった犬には、新しい芸は教えられない。
人間は犬ではないぞ!
確かに!しかし、教えるのはそんなに簡単ではない。
これは何も建設労働者だけの問題ではない。
放送局のような時代の最先端のように見える職場でも、ITなんかチンプンカンプンというのが半分近くいる。
今さら、そんなもの無理して覚えなくとも、俺はこれでいい。メールぐらいは出来るし、インターネットでも見るくらいなら・・・。
ワープロだって満足に打てない人が、言うことだけはとても立派。(例え、内心ヒヤヒヤものでも。)
本当に建設労働者だけの問題ではない。
ITが実際に失業者の受け皿になりうるのかどうか?
よほどのインセンティブを40代以上の中年に与えない限り、大抵は定年に向かって逃げ込みをはかるだけのような気がするのだ。
私がメールを送っても、ちっとも読んだように思えない人。読んだらしいが返事を送って来ない人。
返事は来たが、たった3行、後は電話で済ませようとする人。
ちゃんと返事くれるのは、2?3割。
この人たち絶対にIT関連事業に転職できそうにない。
ましてや、建設業者。
本当に、どうするんだろう。
政治家に、何とかしろ、その為の献金、その為の票集めだろ!といいかねない。
近畿郵政局の幹部が逮捕覚悟で公選法違反するのも、同じような意識ゆえだろうなあ。
今さら、新しい環境は無理なんです。お願いですから、そんな学習して、一からやり直せ!なんて言わないで下さい。
「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」と言ったのは、この時期おなじみのマッカーサー元帥。
ほとんどの団塊の世代の人間も思っているのかもしれない。
もう、後少しで定年。このまま静かに去らせてくれ、と。
若い人たちはどう思うのだろう。
彼等の尻を叩くか、それとも介護施設へ彼等を追いやるか。
いずれにせよ、金はまだまだかかりそうだということは覚悟するしかないかもね。鬱だし脳。
2ch諸君の御意見は?安部邦雄