前に、私の大の苦手は蛇だと書いたが、子供の頃から雷も大嫌いだった。
雷が光りだしたら、雨戸を閉めて、カーテンを閉めて、布団の中に潜り込んでいた。
雷の季節はたいてい夏なので、暑いたらありゃしない。
しかも、怖いから冷や汗も一緒に出てきて辛いことこの上なかった。
テレビでは大阪プール(今はなき扇町プール)の水泳大会の実況を雷雨の中でやっていた。
怖くないのかなあ、と一人心配していたものだ。
雷さんにへそ取られるから、蚊帳の中にいなさいと親から言われていたが、へそなんかどうでもいい、とにかく怖かったなあ。
今はメジャーリーグ・エクスポズの吉井投手がヤクルト時代、雷が途中で鳴りだして、後の投球がぼろぼろになったことがある。
当時の野村監督がどうしたのかとそばに行くと「監督、雷怖いんです。」と言ったそうだ。
大の男が何言うとんねんと野村監督は相手にしなかったが、実際、集中力も何もなくなった吉井投手を見て、世の中には色んなやつがおるんやなあ、と感心したそうだ。
でも、監督、吉井投手の気持ちは私はよくわかります。
高校時代、サッカー部であったことは前にも書いたが、このサッカーは雷にはよく遭遇する。
Jリーグの試合で激しい雷雨の中でプレーする選手たちをよく見るが、どうしてそんなことができるのか私には信じられない。
私なんか試合中に雷が鳴り出したら、途端に戦意喪失である。
審判のところへちょこちょこと行って、「あのう、雷鳴ってますよ。」と一言だけでも声をかけるだろうなあ。
雷にもし当たったら、あんたの責任ですよと言わんばかりに、とりあえず脅しに行くわけである。(審判は全然反応しない。脅されているとは思えないのだろう。)
まさか、怖いからやめたいとは言えない。
とにかく、試合中止と言ってほしいわけだ。で、反応がないと、その次は顧問の先生の方を見て替えてほしそうにする。ところが、こういう時に限って、顧問の先生はさっさと雨のかからない所に避難して、試合の様子なんか無関心。
もう、そうなったら、走る気はなくなるわ、相手へのマークなんか考えも及ばんわ、ま、出しちゃ行けないですね、こんな選手は。
ゴルフに行って雷なんか鳴ったら、私は絶対にやめます。
この際、勿体無いなんて少しも思いません。「やりたきゃ、勝手にやれ」とパートナーに捨て台詞して帰ります。
団体行動なんか関係ない。命あっての物だね。
何てアカンたれでしょう、本当に。でも、あかんのですわ、雷。
街歩いていて、ピカっと来たら、もう平常心ではおれません。
傘に落雷するんじゃないかとヒヤヒヤ。
飛行機に乗ったら、落ちるんじゃないかヒヤヒヤするのと同じ心境ですね。
普通の人から見れば、本当にお笑いぐさでしょうが。
最後に、一口メモ。
雷が鳴っている時の呪文に「くわばら、くわばら」というのがありますが、これは次の由来によります。
桑原とは、大宰府に流された菅原道真所領の地名。その恨みが雷となって、都の人々を震え上がらせたとき、桑原にだけは落雷がなかったという故事による。
NHKの「クイズ日本人の質問」で、出題されていましたね。覚えておられますか?
大桃美代子さんの下手な歌が聞けなくなって、番組を見なくなった安部邦雄