同時テロ事件がますます混迷を深めている。
さあ、日本はどうする、小泉首相はどうする?と、スキャンダリズムサイドから矢の催促。
とりあえず、情報を受けるだけで客が満足する時は終わったようだ。
次は、セカンド・フェーズだ。
その情報を受けて、我々が何をするかが問われている、さあ、どうする日本、どうする小泉首相、という構図だ。
大衆もそれを望んでいる。
さあー、みんなで考えよう!
うーん、違うんじゃないかなあ。
湾岸戦争の二の舞いになってはいけない、なんてマスコミが言うのはやめてほしいなあ。
だって、この間、何か問題提起した?マスコミは。
ワイドショーで何か特集した?テレビは。
二の舞いとかいう問題じゃなくて、何も教訓化されてないよ、日本では。
国民のコンセンサスなんか、いつとった?
その為の努力を誰かしたか?政治家がしたか?
何もしてこなかったから、湾岸戦争の時に起こった論争を又繰り返しているだけじゃないの。
そりゃ、前より判断材料は増えたかもしれないけど、コンセンサスが何もないのに、何をどうしろというわけ?
あのね、政府というか行政というか、そういったジャンルのプロなら、もっと深い情勢判断があるはずだよね。
問題解決のためには、条件があり、仮説があり、それを解く為の方程式があり、それらが極めて厳密に定義されていくプロセスが必要なのは常識だろう。
だから、今、我々に必要なものは、これら厳密に定義された条件であり、当面の仮説なわけで、出所不明の無秩序な情報の束じゃないはずだ。
なのに、マスコミは何を垂れ流しているの?
スキャンダリズムの手法を使って、何の為に大衆を脅迫しているの?
不安感あおって、人心のバランスを奪うのがマスコミの使命なの?
ちがうんじゃないの?
確かに、そろそろ複雑な状況を単純化して、問題点を収斂させる段階に入っているという認識はわからないでもない。
マスコミの見せ方も、毎回同じじゃ飽きられるので、新しい単純化された見せ方が必要なのもわかる。
しかし、その単純化の根拠って何?
私はラディン氏のことなど、今までほとんど知らなかったよ。
そんなに悪い人なの。
テレビは悪い人のように描くけど、そのための証拠なんかどこにあるわけ?
みんなが悪い人が欲しい時に、ちょうど、それに近い人がいて、それがラディン氏だったのかもしれないじゃん。
松本サリン事件の時も、同じように、全然関係ない人を悪者にしなかった、日本のマスコミは?
アメリカが、自己の論理のために真実を捏造する国であることは、皆知っているはずだ。
何の関係もない、油にまみれた鳥を、イラクの野蛮の行為の結果として喧伝したのは忘れられないし、でっち上げの被害者(しかも、女の子)に記者会見までさせたことは記憶に新しい。
今回の首謀者がラディン氏だと言っているのは、アメリカだよ。
無条件で信じられる根拠を教えてよ、マスコミなら。
真実は何だよ。
アメリカを支持する前に、日本としての独自の情報収集に依拠した状況認識はないの?
その為の外交機密費でしょ。そのための官房機密費でしょ。
できないんだったら、アメリカに機密費みんな寄付すればいいんだ。
代わりに情報集めて下さいね、と毎年の国の予算から出せばいいんだ。
どうせ、思いやり予算とか出しているんだから、ついででしょ。
何なら、みかじめ料も用心棒代も払っちまえ。
それの方が、わしゃすっきりするわ。
マスコミ、本当におかしいぞ!
大衆が期待しそうな話題ばかり持ち出すな!
すみません、ちょっと言い過ぎ、安部邦雄