仕事をするならやはり東京だと言わざるをえない。
人材が集まっている。
一流の頭脳が、普通に街を歩いている。
声をかければ、振り向いてくれる。
大阪には、そう簡単には道を歩いていない。
タレントを見るのは東京では日常茶飯事だが、大阪では見てもお笑いぐらい。それと同じこと。
インターネットがあるのだから、どこにいても一緒とは言っても、やはり人と会うことなしに仕事は回っていかない。
東京には金が集まっている。
税金は、結局東京に集められ、中央官庁を通して、全国に還元される。
使い方のほとんどは東京で決められている。
だから、東京にいた方が、ひょっとしたら自分の仕事に金を回してくれる確率が高くなる。
競争率は大阪にいる時より高くなるが、本当に優秀な事業であるなら、もらえる絶対額は大阪の比ではない。
先日もある中央官庁の課長補佐さんから、来年度の予算要求について説明を受けた。
極めて率直に意見を交わし、ほぼこの線だと予算がつくのではと個人的な意見をいただいたりする。
大阪では、多分こんな話は交わされない。
日常会話に、経済も政治も入り込んでいる東京ゆえだろう。
なにしろ、情報は東京に偏っている。
情報は多く持った方が勝ちなのだ。ただし、ガセばかりでは話にならないが。
結論、人材/金/情報、どれをとっても東京と大阪のスケールは違い過ぎる。
東京で弱いのは、自前の文化ぐらいか。
文化のスケールは東京も大阪もさほど違わない。
むしろ、オリジナルなものは大阪の方が多い。発想にかけては、東京は大阪にはかなわない。
ただし、東京はその発想を公平に評価する土壌がある。
大阪は、発想した人を大切にしない。
まねしたらええねん、とばかりバッタものがいくらでも出てくる。
だから、アイデアに金を払わない。
意見を聞かせてくれと言われ、プランを幾つか考えてあげても、晩飯一回で終わり。
それで、商売しているのが丸わかりなのに、利益を一人占めにする。
形のないものには、金を払わない。
大阪はそれがひどすぎる。
それでいて権威に思いきり媚びを売る。(内心は馬鹿にしているくせに)
大阪の景気は最悪だとか。威勢のイイ話もあまり聞こえて来ない。
USJはすごい?
しかし、従来からあった遊園地はやばくないか?
大阪をこう変えよう、とかいう情報発信はとんと聞こえて来ない。
関西空港二期工事も神戸新空港も本当に必要?
都心の再開発なんて、成功と言える場所って今まであったか?
湊町に移るラジオ局もあるようだが、何かの起爆剤にでもなるのかな。私は甚だ懐疑的だけどね。
本当にどうしちゃったの?大阪。
どうしちゃったの?関西人。
大阪に戻っても、周りの眼が冷たい、安部邦雄