リストラ大はやりですね。
労働者をこんなに簡単に首を切る時代がやってくるなんて思いもしませんでした。
ターゲットはもちろん団塊の世代でしょう。
絶対数が多いし、50代だし、仕事の中味が収入とつり合っていないし。
本人も辛いでしょうなあ。
新しいことも今さらできないし、管理職以外はあまりやりたくないでしょうし、今住んでいるところから離れたくはないでしょうし。
内心、こんな会社辞めたいと思っていても、その後の人生設計がまるで思い浮かばないのが本当のところでしょう。
いつ死の宣告が来るのかをヒヤヒヤしながら待っている、そんな心境なのでしょうね。
私がFM大阪を辞めたのは43歳の時でした。
ミュージックバードに出向していて、ここで仕事をしていても自分のプラスにはならないと実感したのがきっかけでした。
自分の時間が勿体無いと思ったのです。
で、FM大阪の社長に「やめたいのですが・・・」とおそるおそる申し出たところ「お、それはおめでとう。君がやめるのは会社としても好都合だ。とにかく今後の活躍を期待しているよ。」
あっさり言われてしまった。
義理でも引き止めるぐらいの言葉はないんかい。
強く慰留されたら、会社を辞めるのは思いとどまるつもりだった。
でも、全くその素振りなし。
勝手にやめて申し訳ないなと少しでも思った気持ちも空回り。
結局、俺はそれぐらいの存在だったんだと意気消沈した次第。
会社を辞めて得したか、損したか。
それは、何とも言えない。
今は会社の経営者なので、そりゃ普通にサラリーマンしているよりはるかにしんどい。
植木等さんの歌にもあったが「タイムレコーダ、ガシャンと押せばどうにかカッコがつくものさ」のサラリーマンだ。
時間の自由はないが、それでも毎月ちゃんと振り込まれる給料があるだけでも、どれだけ幸せか。
経営者なんて無茶苦茶儲かっている時しか心休まる時はない。
ちょっとぐらい儲かっている状態だと、かえって金の使い道に迷ってしまうだろう。
何しろ、社員は儲かっていることを知っている。
当然給料を上げてほしい、ボーナスをもっと寄越せとか、色々と要望がでてくるはず。
でも、ちょっとぐらいの儲けなんて、どこかのクライアントが飛んでしまえばそれで簡単に消えてしまう。
その為の金がやはり確保されねばならないし、万一の為に自分の財産も投げ出さないといけないかもしれない。
よく、社長の給料を高すぎるなんて言う人がいる。
社長の給料は、いわゆるオーナー社長である限り、高ければ高いほどいい。
社長は社員と違って、入った収入はいつでも会社に投げ出す義務がある。
儲かっている時は、できるだけ多く貰うが、会社が厳しくなると一円も会社からは貰わないなんてことも覚悟しないといけない。
社員には給料は払っても自分は我慢する。
資金繰りがすべてなのだから、自分の給料貰っている場合ではないのだ。
つまり、それほど会社を経営することは自分を犠牲にすることでもあるということだ。
やっぱりサラリーマンは気楽でよかった。
サラリーマン社長なんて言う人も多いが、こういう人は結局実業の世界では決して評価されることはないだろう。
ダイエーの中内さんも本当に大変ですね。
さて、会社を辞めることは、とにかく大変なのである。
得か損かはわからない。
ただ、辞めたしばらくは、ほとんどの人が迷うだろう。
私の選択は本当に正しかったのだろうか、と。
文句ばかり言っていた会社だが、今から考えるといいところもたくさんあった。
こういうことは外に出ないとわからないものだ。
本当に何でやめてしまったのだろう。
あんな、社員思いの会社はそうはなかったのに。
でも、これは仕方のない話です。
辞めてしばらくは、どちらにせよ新しい環境で自分の場所を見つけだすことから始まります。
そりゃ、大変です。
前の場所にいたら、しなくてもいい努力です。
その分、前の方が良かったと思うのは当然です。
結局、会社を辞める時に必要なものは、自分の夢にかける情熱です。
それがなければ、辞めるのは最悪の選択です。
さて、会社を辞める話は書き出すときりがありません。
長くなるので、今回はこれぐらいにしておきます。
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