雪印が又やばそうです。
子供の頃、アイスクリームといえば雪印。
牛乳といえば雪印。
雪印のブランドは、子供時代のひとつひとつの思い出の中に今も生きています。
その雪印も、どうやら消えようとしています。
半世紀も経てば、やはり企業は堕落してしまうのでしょうか。
盛者必衰、会者定離ですね、全く。
「私は眠ってないんだ!」
前の雪印乳業の社長が断末魔のように叫んだ言葉です。
確かに眠ってなかったんでしょうね。
追いすがる記者団に対して、「頼むから、しばらく一人にしておいてくれ!」という気持ちだったんでしょう。
自分の中で何も整理されないまま、弁明の渦の中に巻き込まれた、このままでは脳がもたない。
その通りです。
脳と言うのは、どこかで事態を組み直さない限り、何が何だかわからないままに対応せざるをえなくなります。
パソコンがそうしているでしょう。
索引を新たに追加したり、組み換えたり、情報の棚を整理したり。
そうしないと、どうなるか。
フリーズしますね。もうこれ以上の作業は無理だと言って、仕事を投げ出します。
人間も同じなのです。
同時進行でやれといわれても、脳のCPUにも限度があります。
それで寝ていないというのですから、その能力は半減でしょう。
本当に合理的な行動をとらせようとするなら、少しでも眠らせてあげるべきです。
一人にして、頭の中を整理させてあげるべきです。
しかし、記者は決してそんな風にはさせてくれませんね。
「こっちだって寝てないんだ!」
そう叫び返した記者がいました。
それはアンフェアだと、私は思いました。
記者が寝ていないのだから、お前も寝るのはおかしい、そんな理屈が通用するのでしょうか?
立場が全く違うじゃないですか。
片方は責任を追求されていて、片方は追求している。
しかも、追求する方は複数。
両者は同じ土俵には乗っていない。
アンフェアと言わずして何と言おうか。
元社長も「お願いだから、考える時間をくれ!私をひとりにさせてくれ!」と叫べばよかったのです。
でも、泣き言にしか聞こえないので、プライドが許さないかもしれませんが。
ま、記者団からしても、相手を寝かさないでコメントをとった方が本音が出てきて有利という計算もあったでしょう。
相手が疲れていたり、寝不足だったり、何かの拍子で頭の中が大混乱している時に取材すると、実に色んな表情や本音ポロリが出るものですから、どうしても記者は相手を追い込むくせがあるようです。
芸能レポーターの方法論はたいていこれ。
追い込めば追い込むほど、相手の無意識下の情報がとれるのです。
脳は、大脳皮質の辺縁で情報を合理化します。
いわゆる理論武装するわけですが、これではレポーターはその矛盾をつけません。
そこで、追い込む。
夜討ち朝駆けなんてのもその一つ。
そりゃ、そんなことされる方はイヤですよ。
疲れていたり、まだ辺縁部が覚醒していない時に、質問を投げかけてくるのですから。
言語中枢が完全にコントロールできない結果、本来言ってはならないことをついポロリ。
ポロリの部分が本音かどうかはこの際関係ない。
火のないところに煙は立たないとか言って、ああ言う以上は裏に何かある、とこうなる。
お前等は精神分析マニアか!?
で、今ちょっと可哀想なのは小泉さんでしょうね。
あの人はあまり裏表のない人であることは、言葉の中味でおおよそ見当がつきます。
寝る時間もあまりないでしょう。
外務省のことばかりやっているわけにいかないはずですし。
抵抗勢力を押さえ込むことばかり考えてもいられないでしょうから。
やることは一杯なのに、寝る時間がほとんどない。
癒しはX?JAPAN?
ほんとに御苦労さんなことですねえ。
でも、勝負はちょっと見えちゃったんじゃないかと思いますよ。
もう後は背水の陣。これしかない。
野中さんなんか、きっと毎日枕を高くして寝てることでしょう、少数派はいつも辛いのですよ皆の衆、安部邦雄