ヒット曲の飽和状態というのはないのだろうか?
私としては、よほどいい曲ならまだ少しは入りますが、つまらない曲だと、もう一杯一杯ですというところだろうか。
私が青春時代を迎えた頃、ヒット曲といっても、たかだか1000曲ぐらいだったろう。
だから、新曲の一つ一つがとても新鮮だったような気がする。
新人アーチストがデビューする度に、そのアーチストのプロフィールや新曲情報などが、乾いた砂が水を吸い込むように身体の中に入って来た。
今や、ヒット曲の数たるや大変なものだ。
カラオケボックスの曲目リストの何と分厚いことよ。
しかも、収録されていない曲が私の感じでは3倍近くありそうだ。
これ以上、ヒット曲って必要なのか?
今までの曲をリバイバルさせたり、歌手を変えたりするだけでも私は十分納得できそうな気がする。
やっぱり、業界が利益を得たい為に次々と新作を発表するファッション業界と同じなのだ。
いつから、音楽業界はこんな刹那的な業界になったのだろう。
ファッションなんて、同じものがある周期でループしているだけという批判も多い。
音楽業界もただループしているだけ、という批判に反駁できまい。
私も、次にどういうものがヒットするか、大体わかる。
方法論はきっとファッション業界のそれと変わらないのかもしれない。
あ、このジャンルは今ないし、そろそろブームがもう一度来そうだから、あたるかもしれないなあ。
この線で私が押したのが鬼束ちひろだ。
コブクロもそうだ。私は彼等を日本のサイモンとガーファンクルと評した。
何故、今女性アーチストが受けるのか?
簡単だ、音楽業界がファッション業界と同じになったからである。
アーチストはモデルそのものなのだ。
女性アーチストはモデルみたいな顔をして出てくる。
ただ、きれいとかスタイルだけではない、今のモデルのトレンドはヘタウマ系である。
そう考えて、女性アーチストのビジュアルを見てみればいい。
見事にファッション系のモデルと同じはずだから。
男のアーチストも受けているアーチストはみんなそう。
それから外れたアーチストは、女の子にはまず受けない。
後は、中味があるかどうかでファンが付く例もある。
サザンなんか、中年の星だし、達郎さんもアダルト系のファンに支えられている。
しかし、この層、人気ほどにはCDを買わない。
サザンのファンなんて、100万人以上は確実にいるはず。
しかし、レコードがいつもその数に見合って売れているかというと、これがトンデモ発奮、歩いて10分なのだ。
浜崎の曲なんて、私、自慢じゃないけど、ほとんど歌えない。(え?オッサンは歌わんでいい?)
宇多田の曲も「トラーブリン?、きっと、トラーブリン」あたりはコーラスできるけど、全曲なんて全く記憶にない。
演歌なんて、まるで知らん。
NHKでたまに歌っているのを見るが、右から左へ抜けて行く?。
本当に人間社会としては、これ以上新しいヒット曲なんて今ほどいらないのではないだろうか。
じゃ、今ヒットしているという曲っていうのは何だろう?
このあたり、若い人に聞いてみたい。
本当に、あなたは新しいヒット曲を心から望んでいますか?
本当に飢えていますか?本当に渇いていますか?
本当に新しいヒット曲はあなたに必要ですか?
近頃、覚えてみたい曲ってありませんねえ、「夜空の向こう」以後、日本の歌では一曲もないなあ、安部邦雄