昨日は不正入試発覚の話をした。
ついでと思って、阪大/不正入試等のキーワードで、サイトを検索したが全くそれらしい表示を見つけることができなかった。
当事者は忘れたい記憶だろうが、二度とあんな悲劇がないように事の顛末をここに記してみようかと思う。
首謀者は医学部系の塾等の関係者だったはず。(もちろん、そのスジモンの方も絡んでいた?)
東大医学部の入試がないため、阪大の医学部がただでさえ難しくなったという事情もあったろう。
で、この首謀者、阪大の試験用紙の印刷が堺の刑務所で行われることに着目した。
つてを頼って、受刑者に接触。
試験用紙を高い塀越しに投げるよう依頼し、まんまと試験問題を盗み出すことに成功。
今度は、これを使って医学部受験者を中心に、阪大突破補習塾を開催。
確か、箕面のどこかにある施設に受験生を缶詰めにして行ったらしい。
実際に何人集まったかは、発表されていなかったが、100人以上はいたという。
受講生は、もちろんそこで行われる授業が<本物の試験問題>と直結しているとは思っていない。
これは盗み出した試験問題です、等と言うのはいくら何でもやばすぎると塾関係者は判断したのだろう。
「まさか、あの時の問題がそのまま本番の試験問題だなんて、実際に受験当日まで知らなかった。問題を見て、半信半疑だった。」
そんなコメントがその頃の新聞に掲載されていたことを思い出す。(ざまあ見ろ、というか、お気の毒というか)
昨日も書いたが、退学になったのは80人中、20人余りだった。
100人も本番の試験問題を教えてもらいながら、実際に合格したのは20人余りというのも面白いと言えば面白い。
いくら、試験問題と解答を事前に教えてもらっても、それが本番と同一問題であるという認識がなければ、丸暗記なんてする気にならないということなのだろう。
かといって、100点続出なんてことがあると作為性丸出しなので、塾関係者も適当に点がばらつくような仕掛けはしたと思うが。
そして、夏すぎたころ、「阪大で不正入試!」のニュースがドーンと私達の目と耳に飛び込んで来たのだ。
えー???
私達は、目を白黒させながら、そのニュースに注目した。
しかも、最初は医学部で不正入試という話が、次々に理学部に飛び火し、経済学部に飛び火し、法学部に飛び火し、、、。
そりゃ、そうだろうなあ。
医学部でも他の学部でも試験問題は一緒なのだから。
ある朝、私は同じ学部の友人と酒を飲みながら朝まで語り合ったり、ふざけあったりしていた。
たまたま聞いていた毎日放送(MBS)ラジオの早朝ニュースの内容に、二人とも飛び上がって驚いた。
「大阪大学の不正入試が文学部でも行われていたことがわかりました。」
ええー???
さあ、そうなったら二人とも眠気も酔いも吹き飛んだ。
誰やー、誰があんなことやったんやー?
何しろ、同級生80人である。
不正入試に絡んでいたやつって誰だ?あいつやろか、それともあいつか?
大学は休みだから、他の連中と接触することはほとんどない。
しばらく、気が気ではなく、詳しい続報をずっと待っていた。
ところが、何日たっても続報が出ない。
ひょっとしたら、あれはガセやったんちゃうか?
天下の毎日放送が嘘流したらしい。
それも早朝のニュースだったから、他に聞いているものもなく、そのニュースを知るものはその時の友人と私だけ。
あ、謝らんかい!毎日放送!
今、インターネットがあったら、しこたま掲示板にこのニュースを書いたことだろう。
くそ!人の気をもませやがって、謝罪しろ!毎日放送!
ま、不正入試で思い出したので、ちょっと書いてみたのですがいかがでございましょうか。
1969年、今から33年前のお話。
あの時、不正入試に関わった連中は、今どうしているのかなあ?
できれば、誰か自分の体験談を出版してほしい。1万円でも私は買うつもり、ありです。
インターネットでもいいんだけど・・・。
後に放送局で、ニュース・アナウンサーを勤めたこともある私ですから、その時何故MBSが誤報を流したか、少し見当はついております、でも、身内の恥ですので、私からは言うつもりはありません、あしからず、安部邦雄