放送界は4月改編の時を迎えている。
大体、改編は4月と10月に行われる。
理由は、よくわからないが幾つか説がある。
1つはプロ野球。
ナイターが始まるので、4月に改編。
10月前に終わるので、その頃改編。
何となく説得力ある。
もう1つは、企業の決算期がほとんど3月(一部9月決算も)だということ。
企業の宣伝広告費は年度で予算化されているため、4月から新規の出稿(或いは出稿停止)等がしやすいため。
つまりは、民放は広告主の動静に編成を合わさざるを得ないということだろう。
NHKも同じように、この頃改編するが、まあ、あれは民放との対抗上なのだろう。
他の理由?
3月は人が移動する季節だから、客が入れ代わりやすいというのもある。
それに合わせて、放送局側も新規開店がしやすいということ。
パチンコ屋と同じ理屈だ。
新規開店した方が、客の関心を呼びやすい。
つまり、4月と10月の改編期とは、新規の客もまた呼び込みやすい時期でもあるということだろう。
ま、とりあえずこんなところだろうか。
放送局にいて、この改編期って半分憂鬱、半分期待というシーズンでもある。
憂鬱なのは、終わる番組のケアをしながら、始まる番組のプランニングをしないといけないこと。
作業は2倍になるし、今までのキャスト、スタッフのアフターケアも考えないといけないし、それでいて、新しいキャストやスタッフの選定をしないといけない。
特に新しいキャストというのは、どうしてもビッグなタレントさんだったり、あるいは新人さんをオーディションで採用したりなど、気苦労が何かと多い。
先ほど期待と言ったのは、ひょっとしたら、とても面白い番組になるのではないかという期待なのだが、今思うと、そこまで行く作業の大変さは、やっぱり指摘しておかないといけないだろう。
まず、企画書を書かないといけない。
次に営業と摺り合わせ、修正して代理店に提出。
今度は、それを代理店が書き直し、一緒にスポンサーにプレゼン。
何だかんだと、わけわからんことを言われ、その要望を企画の中に反映することを約束させられて、帰社。
タレントとの本格交渉。
断られないように、すでに十分の根回し。
予備でおさえていたタレントさん達に謝りの電話入れ。
あ?あ、思い出す度に鬱陶しい。
私の古巣の放送局も、この4月は大幅に編成を入れ替えるようだ。
広告費の削減がもろに響き、制作費も大幅カットがなされる由。
放送局受難の時代が、ゆっくりと始まったというべきだろう。
御苦労様です。ほんと、おきばりやっしゃ?。
でも、20年ぐらい前の放送局って、それでも今より楽しかった気がする、今は何かとても窮屈だと思うのは年ゆえなのかなあ、安部邦雄