今日から4月。
「四月バカ」と昔は言った「エイプリル・フール」のヨタ話もあちこちで聞かされた。
で、私も何か言ってみようと思って、「実は、近々結婚しようかと思っているんだけど・・」
軽く、スルーされてしまい、ボールは悲しく、サイドラインを割って行った。
くそっ、ホンマに結婚しても知らんからな。
街でたくさんの新入社員らしき集団と出会った。
みんな、髪が短く、スーツがグレー系。
特に女子社員が判で押したように、同じファッション。
こんなダサイ格好、普通OLはしないよ、と言いたくなる。
そのダサさは、本人達も痛いほど感じているはず。
しばらくすると、誰一人そんな格好しなくなるのでよくわかる。
それだけ、会社に入ることに必死だったんだろう。
決して悪印象を持たれないようにと、死ぬ思いで自我意識を抑圧しているのだろう。
御苦労さん、優等生でいるのも楽じゃないね。
「イイ子にしているんだよ、賢い子になるんだよ。」
親の素朴な願いもそうなのだから、こういう価値基準にしばらく従順であることぐらい朝飯前かもしれないけどね。
私の入社式ってどうだったのかというと、同期入社は3人だけだから、別段何ごともない入社の日だった。
中でも、私の評判はとても悪かった。
グレーのスーツは普通だったのだが、下に着るシャツはハデな花柄で、襟を外に出していた。
もちろん、ネクタイ等はしない。
髪の毛は長髪。
どうみても、会社をバカにしているとしか思えない新入社員だったらしい。
「いちご白書をもう一度」の歌詞を覚えているだろうか。
就職が決まって 髪を切った時に
もう若くないさと 君に言い訳したね
つまり、言い訳なんて絶対にしたくなかったわけだろう。
この会社に入りたくて入ったわけじゃない。
もう来るな、と言われればいつでもやめますよ。
そんな顔をしていただろうということは想像に難くない。
生意気なキザ野郎。誰だよ、こんな奴を入社させたやつは。
このイメージはずっと続いたようだ。
先日、会社をリタイアされた当時の上司が、送別会で一番くやしかった思い出として私の名前を出されたらしい。
私の席に、新しい番組の企画書を持って行って、「これやってくれる?」と聞いた。
すると、あろうことか最年少のディレクターの私は、しばらくその企画書を見ていたかと思うと、「ふんっ」と言って横に投げ捨てたらしい。
な、なんて礼儀知らずの社員だ!
はらわたが煮えくり返ったらしい。
よく我慢されたものだと私が感心するぐらい。
ただし、私は何にも覚えていない。
そんなの、会社やめる時に、全社員の前で言わないでほしいなあ。
私の事等、ほとんど知らない社員も一杯いるんだから。
でも、そんな人の道に反するようなことするから、この年になっても苦労し続けているのかもしれないなあ。
すみませんねえ、私の毒を思いきり吐きかけられた皆様。
ということで、今年もたくさんの社会人が魑魅魍魎の世界に加わって来た。
私どもの会社は今期は新入社員は一人もとらないが、いつか私どもと仕事される方もおられるに違いない。
その時は、よろしくおつきあいをということで、今日入社式に臨まれた若き皆様にエールを送りたいと思います。
がんばれー!
入社式ではなく、数年後に入学式とやらに参列したいなと思っている、安部邦雄、もちろん、どこかの大学生としてですけどね