2年前に、音楽業界はしばらくは浜崎あゆみの天下なんて書いたと思うが、今日の朝のワイドショーで、台湾、香港で大ブレイクのニュースが流れていたのにちょっとオブジェクションしたくなった。
台湾でファンから熱狂的な歓迎を受けたのは別にかまわない、事実なのだから。
しかし、何故これがメインのニュースなのだろう。
イチローが大リーグで大活躍とはわけが違うのだ。
言ってしまえば、もはや日本では彼女はカリスマの地位から滑り落ちはじめている。
例えば、今年4月から中学生になったり、高校生になったりした女の子からは、それほどのカリスマ性は持たれていないのが実際のところである。
これは、ヤンママに支持されているはずと復帰して来た安室奈美恵と同じ現象だ。
確かにテレビや雑誌では、彼女はまだまだニュース・バリューがある。
しかし、カリスマ性はもはやどの世代にもない。
同様なのは、元SPEEDのメンバーとか、脱退者を出したドリカムなどだ。
ニュース・バリューと商品価値は同じではないのが、音楽業界である。
視聴率はとれても、CDは売れない。
これはレコード会社の宣伝マンがよく嘆いていることだ。
確かに、アーチストはマスコミから注目され、テレビの出演が増えて事務所はもうかっていることだろう。
しかし、レコード会社は賛助金は要求されるは、億単位の広告費は要求されたりする割には、実際の売上には結びつかない。
マスコミ的に人気はあっても、ユーザーはちっとも金を出してくれない。
つまり、ニュースバリューと商品価値は違うというわけだ。
テレビとか雑誌とか、これはある意味ではフリー(ただ)な媒体。
CDはまぎれもなく有料である。
この構造、インターネットの世界と同じである。
無料だから、利用する。
有料になったら、要らない。
有料で利用するほどの価値があるとは思えない。
つまり、近ごろのCDにも同じような現象が出始めているのではと思うのだ。
浜崎の曲なんて、とにかく聞ければいい。
テレビでもラジオでも、レンタルでもかまわない。
わざわざ、3000円も出して、聞くほどのものか。
え?近頃はパソコンでファイル交換できる?
だから、欲しければいくらでもダウンロードすればいいの?
じゃ、それにしよう。
こんな風潮に危機感を持ったのが、レコード会社avex。
パソコンではコピーできないようなディスクを発売した。
今度の浜崎の曲もこのディスクにすると言う。
音楽業界を衰退させかねない、パソコンとかインターネットの普及に最後の抵抗を始めたと思っていい。
しかし、この抵抗、あまりにもビジネスを甘く見過ぎてはいまいか?
無料で聞ける手段がある以上、有料で聞かないと犯罪者扱いするのは能がなさすぎる。
前にも言ったと思う。
紙芝居屋のおっさんが、ただ見をしている子供を「金のない子はあっちいけ!」と追い払ったのと、やっていることは同じだ。
ならば、テレビでもラジオでも、一切金を出さない奴は聞けないようにしろ。
こちらで、無料で音楽を聞かせといて、それ以外はすべて有料だから金払え。
払わない奴は、著作権法違反だ、犯罪者だと、よくも言ったものである。
繰り返す、本当によければみんな金を出すだろう。
そうしないと、そのアーチストが次の作品を作れないというのなら、きっとファンは自分のお小遣いを全部出してでもアーチストに協力するはずだ。
何か、音楽業界、間違っていると思うのだが、皆さんの意見はいかがだろうか。
音楽業界において、マスコミは実際のユーザー層と半歩程度遅れているのではと思う、そのくせ、トレンディものは半歩も1歩も進み過ぎているくせに、安部邦雄