昨日は、浜崎あゆみを書いたので今日は宇多田ヒカルの話。
実は二年前、宇多田ヒカルはかってのようなレコードの売上は不可能だろうと書いた。
そして、おそらくこのまま消えていくアーチストの一人だとまで断言した。
それは、一部外れることになった。
「トラベリング」はそこそこ売れた。
しかも、そのできはなかなかのものだった。
では、私はどうして間違ったか。
これは簡単だ。彼女はコロンビア大学に留学し、当分勉強に励むと言ったからだ。
今のようなアーチスト活動は、しばらくしないと言ったはずなのだ。
そりゃ、間違うだろう。
いきなり大学を休学し、普通にアーチスト活動をやれば、まだまだ彼女は音楽ファンには新鮮なものがあるからだ。
ま、どういう理由があるにせよ、間違いは間違い。
彼女の裏切りを責めたところで仕方があるまい。
どうして、宇多田は消えると思ったのか。
これは昨日も書いたが、安室が出産のために休業したときに、あ、彼女の人気はこれまでだなと思ったの同じである。
今、音楽界を休むということは、それがどんな大物であれ、席が一つ空いたのと同じ。
当然、他の事務所やレコード会社はほっておかない。
その大物のオルタナティブを作れば、容易にその席はつかめるのである。
ユーザーがあるアーチストを無条件に待ってくれるなんて思うのは間違いである。
コアなファン層は確かに残る。
しかし、レコード業界のファンというのはそんなコアな層ばかりではない。
それで失敗しかかっているアーチストは一杯いる。
今井美樹、渡辺美里、ドリカム、古くは中森明菜に松田聖子、エトセトラ、エトセトラ。
SPEEDのメンバーがソロではなかなか売れないのは、彼女達がSPEEDの席が空いているものと思って座ろうとしたからである。
しかし、解散したとたんその席はもうないのである。
タイガースが解散して、沢田研二の席がなくなったのと同じである。
ソロに転向して、3年ほど彼が全く売れなかったのは記憶に鮮明である。
ことほどさように、この業界は誠に水物。
宇多田ヒカルが休業すれば、おそらく消えると思った私の判断を理解してもらえるだろう。
しかし、何故彼女は大学を休学してまで音楽業界に戻ってきたのか。
「それは、簡単さ。
東芝EMIが金を積んで頼み込んだからだよ。なにしろ、彼女の売上を失えば会社存亡の危機だ。そりゃ、億の金を積んでも戻ってきてくれと土下座するはずさ。」(ある業界通)
そういえば、サザンだのみのビクター音楽産業も、桑田のCDが無理なら、原由子さんまで引っ張り出すような業界だ。
売上を達成するためなら何だってする。
今回のアルバムの発売が決算期(3月)であることからも、そのあたりのビクターの思惑がわかろうというものだ。
でも、原由子さんの昔からのファンである私は、今回のアルバムはどうも納得いかない。
こんなの、原由子さんのソロ・コンサートで余興程度にやることであって、いきなりレコード発売というのはいかがなものだろうか。
プロダクション(アミューズ)を助け、レコード会社を助けるのは美談かもしれないが、ファンにとっては知ったことかという気持ちを捨てきれない。
ともあれ、東芝EMIを救うために活躍中の宇多田ヒカル。
今度はいつ頃、コロンビア大学に復学するつもりでいるのだろうか。
このままでは、学歴詐称の野村サッチ-と同じように見られるよ、気をつけとかないと、でも、彼女のPVっていつも良い出来だなと感心しています、安部邦雄