福岡政行さんの「十年後ニッポン」(講談社)という本を読む。
政治学者が書いた近未来論と言う感じだが、その中で次のような指摘があったので書き記す。
「<商店街で生き残る店>と<商店街で消えて行く店>を調べた。
その結果、こまごまとした日用品を売っている雑貨店、薬店、老夫婦の書店、古本店、靴店、蒲団店、呉服店、電器店などが消えているのがわかった。
残っているのは、飲食店、クリーニング店、理髪店等、
人と直接かかわる店ばかりだった。」
なるほどねえ、結局零細な旧来の店が衰退し、地域でも生活的に需要がある業種だけが残るということなんだろう。
私の住んでいるのは杉並区の住宅街だが、駅前の商店街で最近どんどんなくなっているのが、銀行である。
預金競争が必要なくなって来た銀行に、多くの支店はいらないということなのだろう。
その後に何ができたか?
1つは、ブックオフ、つまりはオシャレな中古書店。
1つは、コンビニのローソン。
その余波で、少し離れた住宅街のコンビニ、am/pmが潰れた。
せっかく、手数料なしでお金が引き出せたのにとぶつぶつ言っている。
後、日興コーデュアル証券の支店。
近くに一杯住んでいる小金持から、投信などで金をまきあげるつもりなのだろうか。(人聞きの悪いこと言うな?)
他に家族でやっていた八百屋が思いきりよく店ごと売っぱらい、今はマックになっているのがある。
時々、店の若大将だった兄ちゃんに出会うのだが、前ほど元気はない。
やはり、八百屋の若大将が似合っていたのかもしれない。
何も仕事をせず、不動産だけで食っているらしい。
総じて、商店街には活気がない。
100円ショップも四苦八苦だというし、西友も改装売りつくしセールをもう半年近くやっているが、一向に売りつくす気配はない。
貼り紙に改装予定日を示す日付けが書いてあったような気がするが、いつのまにか消されていた。
どうなるのか、従業員達にもわからないのだろう。
実家のある千林のことにも少し触れておこう。
ここ何年かで潰れた店は次の通りだ。
書店、レコード店、衣料品店、小さな薬屋、寿司屋、和菓子屋、荒物金物屋、帽子屋、靴屋、オモチャ屋、呉服屋、電器屋、酒屋、肉屋、そしてマイカル・サティ。
その後に入った店で一番多いのが携帯電話屋。これは10店鋪ほど新たにできた。
よほど利益効率がいいのだろう。
次に、ドトールなどのチェーン系の喫茶店。
安い所為か、どこも人で一杯。
そのかわり、純喫茶は減る一方だが。
アイスクリーム屋とかパン屋はまだ元気そうだ。
これも増えた、ドラッグストア。
ひとつの商店街で、同じ系列の店が3店鋪もあったりする。
薬九層倍などと昔から言うが、本当だったんだな。
八百屋とか、乾物屋、豆腐屋さんとか魚屋さんとか、果物屋さんとか、どう見ても、家族や親戚だけでやっていそうな印象がある。
新たな、雇用を産み出すのはこの業種では無理っぽいのではなかろうか。
化粧品ショップなんて、若い女の子が全く入っていない。
これはブティックなども同じなのだが、商店街にはもう無理な業種なのかもしれない。
お客さんが一杯入っている店は、大阪の場合たいてい飲食店。
うどん屋さんやお好み焼き屋さんなど、表まで人が並んでいたりする。
考えれば、ラーメン屋なんて千林にはほとんどない。
中華料理店が、ついでに出すぐらいだ。
東京と大阪の極端な違いを実感する。
東京のラーメン屋=大阪のお好み焼き屋という図式なのかもしれないなあ。
さて、今回は事実を羅列しただけになってしまった。
ここから、何か私なりに法則性を見い出さないといけないのだが、すぐには何も思いつかない。
とりあえず、今日は書きとどめておくだけにする。
どなたか、何か思いついたことがあれば、私まで知らせてもらえまいか。
お待ちしてます。
代々木では、ラーメン屋がつぶれ、その後にまたラーメン屋が入りました、又、失敗するんじゃないかと心配してあげております、安部邦雄