シンプルがベストといいながら、ここ3日ばかりややこしいことばかり書いて来た。
要約したい。
つまり、これからのキーワードは、「シンプル」「ライト」「リアルタイム」の3つだと言っているわけだ。
もちろん、他にもキーワードはあるだろうが、当面、この3つを意識しながら、インターネット時代を考えて行こうと思う。
ところで、私がインターネットの世界に自分のメッセージを発しはじめてから、まだ3年ほどしか経っていない。
何かもう10年近く経ったような錯覚があるのだが、それほど濃い経験が私の中にあったのだろう。
ちょうど子供が学びはじめた時のように毎日毎日が重みを持って過ぎて行く。
この年になって、こんな時間の感じ方ができるなんて、何て幸せなことだろう。
ま、それはともかくとして、インターネットに対する私の最初の感想はといえば、それは「インターネットはカオスである」と言うことだった。
このサイトでアーカイブされている「インターネット私見」の第二号の冒頭に次のような文章がある。
「インターネットは無限の闇である。
しかし、その宇宙の中に一つの星を見つけた時、そこから無限の可能性が見えてくる。」
これは、私がインターネットに初めて本格的に接した時の、正直な感想である。
無限の闇、どこへ通じているかもわからない。
始まりがどこかもわからず、終わりがどこかもわからない。
私の脳は、深淵を覗き込んだかのように、軽い拒否反応を示した。
これはえらいものでっせ、大丈夫でっか?
そんな危惧さえ持っていた。
ただ、脳はその危惧をおさえながらも、その深淵の中に何か手がかりを求めようとした。
それが、暗闇に光る1つの星なのだった。
その星さえ発見できれば、それを1つの中心として、ネットの中に座標軸ができる。
後は、その座標軸と関連させる形で、全体へと広げて行けばよいのだ。
で、私が最初に発見した星といえるような原理が、「重いものを軽くする」という原理なのだった。
ネットの中で、今後発展するもの、すなわち短期間に淘汰されないものに、この「重いものを軽くする」という原理が働いているということを発見したのだ。
そして、人間の脳は、毎日「重いものを軽くする」作業をしながら、データを整理したり、判断をしたりしているのだという事実に気がついたのである。
ただ、このままでは相手に通じにくい。
そこで、このシリーズで私はそれを「シンプル」という言葉で言い換えたのだ。
そして、それをシンプルにする過程を動的に表現する為に「ヘビー→ライト」というシェーマを提示した。
ついでにリアルタイムというのは、ネットのスピードと対応する時間軸として、提示したものである。
で、もう一度要約すると、ネットの無限の闇を全体として把握する為のキーワードとして、「シンプル」「ライト」「リアルタイム」を提起したというわけである。
さて、個々の論証をどうしたものだろうか、と今考えている。
実は、断片的にしかこれらは整理されていない。
で、このシリーズの頭で言った、料理をするのは好きだが、後片付けが嫌いな亭主の状態になるのである。
あ?あ、後片付けか・・・・。
大学時代にある先生がしみじみ言っていた。
「研究者には、2つのタイプがある。1つは天才的にひらめきで理論を提唱するタイプ。もう1つは持久力があり、事実をコツコツと積み上げながら理論を構築するタイプだ。学生諸君は、たいてい前者の天才型を目指すようだが、それは楽をして名声を得たいと言っているのと同じである。結局、どちらのタイプにもなれない、中途半端な肩書きだけの研究者ばかりが生まれてしまうのだ。」
お説ごもっともでございます。
何かこのシリーズ、私の中のカオスをぶちまけるような内容になりつつあるようで、どうも毎日気がとがめるのだが、ま、世の中、ゴールデン・ウィーク突入ということで、そんなにこの文章を読む方も少ないだろうと思われるから、当分こんなところで良しとしてくださいね。
今日は朝から友人に連れられて、羽田空港そばの公園でアウトドアの食事会。見ている前で、小泉首相を乗せたとおぼしき尾翼に日の丸が目立つ政府専用機が飛んで行ったとさ。でも、飛行機見物は伊丹空港の方が迫力があって私は好きだな、安部邦雄