GW真っ盛り。
精神的には散漫な毎日なので、今日はあまり難しいことは書けそうにない。
鹿児島の話を3日前したと思うのだが、ついでに感じたのが、やはり高速道路には車が少なかったということだ。
九州自動車道というらしいのだが、前にも後ろにも車はまばら。
確かにあれば便利で、目的地に早く着けたのは否定できないのだが、これじゃ絶対に赤字だろうと思うのだ。
公共的な使命があるから、赤字であろうと作るものは作らねばならないというのは確かにそうなのだが、しかし、これでは赤字の垂れ流しではないだろうか。
途中で入ったパーキングエリアなんか、本当にスカスカだった。
関東周辺の混雑しているPAを見なれているので、こんな状況じゃ民間は手を出さないだろうな、と思う。
何のことはない。
混雑した高速道路で閑散とした高速道路の赤字を埋めているのと同じ構造なのだ。
都会周辺のPAが高いのは、田舎のPAの赤字をうめる為に違いない。
確かにPAがないと不便なのだが、それは高速道路にするからである。
国道や県道を広くしたり、バイパスを作ったりする方が、まだましではないか。
何故に高速道路?
早い話、高速道路だと地方は一円も出す必要がないからだ。
こんなことしていたら、地方は国に甘えるのは当たり前ではないか。
国の予算の出し方がやはり今までどこかおかしかったのである。
私が、今まで一番驚いた例は、高松にある県民会館に舞台の公演で行った時だ。
お城のような県民会館である。
舞台も、「第九」のオーケストラ、合唱団が乗ってもまだ余りそうな広さ。
収容人員は3000人ぐらい。
上の観客席へは、エスカレーターもエレベーターもあった。
こんな大規模なホールなのに、普段は警備員さんが一人いるだけなのだ。
ほとんど使われない。
そりゃ、そうだろう。
こんなデカい施設を満杯にできるコンテンツなんて、高松にそうしょっちゅうあるわけない。
で、毎日ほとんど無人なのだ。
何の為にこんなものを作ったのか?
早い話、ホールだったら国が助成金を出してくれるからである。
そのお金でゼネコンが潤おうからである。
ついでに地方の政治家(知事とか県議とか)がそのおこぼれに与れるからである。
それをどうやって使うかなんてマトモに考えていない。
ハードを作ればソフトは誰かが持って来てくれる、本気でこの人たちは考えているのだ。
関西空港の時にも言ったが、空港を作れば自然と飛行機がやってくると思っているのだ、役人達は。
ある地方の会館の人から質問されたことがある。
新しい会館ができたのに、NHKが来てくれない。
どうやったら来てくれるのか教えてほしい。
NHKは、会館さえ作れば公録の為に、黙ってても来てくれるだろうと思っていたと言うのだ。
誰がそんな甘い憶測を語るのだろう。
多目的ホールなんて造っても、結局中途半端なだけで使い勝手が悪い。
もっと何らかの個性を打ち出さないと、誰もわざわざこんな地方にやってきませんよと答える私。
そんなことは、今まで誰も言ってくれなかったと言われたりするのだが、そりゃ、会館を造って儲けようという連中が態々そんなこというわけない。
多目的ホールでなかったら、助成金もおりないし、設計だってありものが使えなくなる。
つまり、供給者の論理だけで、こういうホールはできているのだ。
使い勝手とか、見やすさ等、ユーザーのことなんかついで程度にしか考えていない。
ここにも、従来のビジネスモデルが破綻して行く構造が見える。
後には、誰も使わない広大なホールが残る。
その維持費はどこから出すのだ。
こんなことは、おそらく大多数の役人が知っていることだろう。
しかし、今年も新たに使いもしない高速道路が造られ、神戸沖に誰が使うのかと首をかしげる空港が建設されて行く。
国の予算は、大赤字。
ただ、ぼやくしかないのだろうか。
故郷の実家に帰るのが大変な人ほど、高速道路や新幹線の新設を望んでいる、年に2?3回しか使わないくせに、安部邦雄