さてインターネットの話をしばらくしてみよう。
もうネットがなければ生きては行けないと言いそうな人が何百万と居そうな気がする。
パソコン通信が華やかだった頃は、チャットが大はやりだったらしいが、今やチャットよりも掲示板の時代になっている。
掲示板なんて、最高にチープな伝達手段だったのが、2chという巨大掲示板の出現で、情報を得る為の最強のメディアになりつつある。
使っていない人はわからないだろうが、情報の真贋を見極める力さえあれば、こんな有効なメディアはちょっとお目にかかれない。
segawaxが偽情報も多いので、読むのは大変疲れるがとっても有益と書いていたように。
私の中で2chは、新聞や雑誌のオルタナティブ的な存在になりつつある。
その新聞や雑誌が、2chから情報を得ている時代なのだがら当たり前かもしれない。
一人の若きネットユーザーが、何気なく作った掲示板が今や巨大メディアになったのだから、日本もまだ捨てたものではない。
こんな掲示板、おそらく世界にもないだろう。
作った本人も、まさかこんなにビッグになるなんて、と思っているに違いない。
私の提唱したネット三要素、「シンプル」「ライト」「リアルタイム」で解釈すると、この掲示板の魅力は何といっても「リアルタイム」にある。
一番すごいと思っていることは、今起こっていることに対する、人々の意識がリアルタイムに得られることだ。
従来はテレビや新聞等で辛うじて世論の一部が紹介されていたが、今では掲示板に人々の意見がバラエティ豊かに掲載されている。
誰も交通整理しないから、エッセンスを抜き出すのは確かに厄介だが、それでも慣れれば大体の傾向がわかる。
今国会中に3人も国会議員が辞職したのは、勿論スキャンダルが暴かれたと言うこともあるが、インターネットで交わされる赤裸々な国民意識の力もあるのではないだろうか。
週刊誌も怖いが、ネットがなければこれほどの盛り上がりはなかったかもしれない。
テレビや新聞で、報道記者が今までと同じような問題の捉え方をしているのに違和感を感じるのは私だけではなかろう。
マスコミが世論から置いて行かれている、そんな感想さえ持つのはインターネット故ではないだろうか。
私の中では、旧来のマスコミとインターネットの住み分けはほぼ頭の中でなされている。
後は、国民がこういう住み分けを行う方向にあるのかということだ。
みんながインターネットをテレビを見るように使いだした時、そこには従来持っていたテレビへの不満が次々に露になることだろう。
従来はテレビは一方的に情報を送って来た。
それに対する不満は、辛うじて視聴率という尺度でテレビ局側に伝えるしかなかった。
インターネットは、その不満をリアルタイムにユーザーの目の前に置くことに成功した。
これからはネットとテレビがメッセージによってせめぎあう段階に入っていくだろう。
テレビがネットに吸収されて行くのか、それとも両者が共存しあうのか。
インターネットがテレビのオルタナティブであるかどうか、これからが正念場である。
インターネットのキーワードはリアルタイムであるというのが最近の私の持論、完全に理論化できていないが、重要なファクターになるはずと思うのだが、いかがかな諸君?安部邦雄