データベースというと、百科事典とか広辞苑とかを思い出してしまうのだが、そうなると簡単にはリアルタイムな修正がきかないようなイメージを持ってしまう。
データベースは、その容量(内容)が勝負であり、その追加や修正は最小限度の範囲で行うものと思われたりしていないだろうか。
何故なら、データベースで一番大事なことは、その正確性であり、持続性であるという意見を持つ人が多いからだ。
確かに広辞苑のイメージなどは、まさしくそれだ。
何年かに一度は改訂するが、基本はそんなに変わらないというイメージである。
またしょっちゅう変わるようなデータは、最初からデータとして扱わないというスタンスをとっていたりする。
それを少しリアルタイムに近づけたのは、「イミダス」などの時事用語辞典である。
毎年、言葉の入替えを行っている。
分野によっては大幅な追加訂正がされているところもある。
コンピュータ関係などは特にそうだろう。
さて、インターネット上で使われるデータベースの話である。
インターネットにおいてデータベースは必ずしも、正確無比である必要はないのではないか。
そのコンテンツの持続性もそれほど期待されてはいないような。
重要なことは、このデータベースがリアルタイムに対応しているかどうかである。
ユーザーはコンテンツそのものに対しては、はるかに寛容であると私は思っている。
少々の間違いがあっても、たいていの人はデータベースの管理人に対してメールでそれを指摘するだけにとどめるだろう。
鬼の首をとったみたいに責任を追求、なんて人はインターネットユーザーの中では少数派だろう。
2chの掲示板を見ているとそんな気がする。
間違いが書いてあれば、ユーザーは適格にその間違いを指摘している。
ただ、その間違いが、わざと間違っているものとか、間違っているという既成概念に挑戦していると思われるものには、基本的にはクレームを入れない。
たまに、クレームを入れる人がいたりすると、「このド素人(厨房)め!」というような書き込みが増えたりする。
「空気を読め!」なんて言葉が象徴的である。
その掲示板に流れている空気を読めれば、それがわざとそういう表現をしているということぐらいわかるだろう、そんな意味なのである。(しかしね、既出を<がいしゅつ>と読んだり、巣窟を<すくつ>と読んだりするのは、オジサン違和感がやっぱりあるなあ)
話がそれた。
データベースは不磨の大典ではない。
それは、臨機応変に追加修正されるべきものであり、その為のシステムを供えているものでなければならない。
それこそがリアルタイムに対応するデータベースだと私は思うのだ。
その点、ちょっと気に入っているのが、「ほぼ日刊イトイ新聞」にある「<ほぼ日>読者が寄ってたかって、
コンピュータ用語辞典をつくろう」というコンテンツ。
読者がコンピュータ用語を解説したものを集め、その中で一番適格でわかりやすいものを、最終的に採用して行こうという辞典なのだ。
用例集もあり、初心者にはとてもわかりやすい辞典になっている。
ついでに自分の疑問を投稿すると、よってたかってそれに答えてくれるという構造だ。
修正も可能。
新しい解釈も随時加筆される。
最初から正確なものを作ろうとするのでなく、あいまいなものから始めて徐々に正解に近づこうというスタンスだ。
オーソリティに何もかも依頼し、馬鹿高い金をとられるというデータベースの構築構造を打破し、インターネットの可能性を思いきり引き出すこのシステムを私は大いに広めて行きたいと思っているわけだ。
ちょっと話が散漫になったかもしれない。
明日は、私の体験を紹介しながらデータベースをもう少し考えてみたい。
segawaxが地味にポップスのデータベースを構築中で、その出来上がりを楽しみにしている、安部邦雄、頑張ってね