浅田次郎さんのピカレスク「きんぴか」に、名言があった。
テレビを見るように世の中を見てはいけない
確かに、最近そんな人が多すぎるような気がする。
テレビを見ていたら、世の中が100%わかるなんてことはありえない。
むしろ、意識がどんどん受け身化するので、自分を見失いかねないのではと危惧したりする。
テレビは口を開けていたら、勝手に情報を流し込んでくれるメディアだ。
何の努力もいらない、何も考えずに見ていればいいのだ。
面白ければ見続ければいいし、面白くなければチャンネルを変えればいい。
こいつ、へたくそだなあ、何だよ、これぐらいのことなら俺でも考えられるよ、と好き勝手言ってられる。
しかし、世の中はテレビの世界と同じではない。
もしテレビの世界で起きていることが自分に起きたら、まず俺だったらもっとうまく立ち回るなどというのは幻想だったということに気づくはずだ。
第三者として見る世界と、当事者として見る世界はまるで違うと考えていた方がいい。
たとえば、最近はやりのオレオレ詐欺。
あんなの私なら絶対にひっかからない、なんて軽く思っている人は多いことだろう。
だが、それこそ大きなマチガイ。
第三者なら、いくらでも嘘が見破られる、間違いに気づく。
だが、当事者となったとき、そんな余裕など、どこかにふっ飛ぶはずだ。
同じような目にあったことがあって、それがちゃんと教訓化されているならだまされることはないかもしれない。
場数を踏んでいたり、人と人の丁々発止を楽しめる人なら、まただまされることもないだろう。
だが、人が争っていたり、困っている人が助けを呼んでいる時に、かかわり合いになりたくない、私は関係ないと思ってしまう人は、おそらくオレオレ詐欺にひっかかると思っていい。
他人の心を嫌う人、人と関わることを重荷に思う人も又、詐欺に簡単にひっかかってしまうだろう。
多くの人と関わりを持ち、自分のいい面も醜い面も含んで人とつきあうことに躊躇しない人、そんな人ならそう簡単に詐欺にはかからない。
表面を取り繕う人、世間体を気にする人、それと自分にプライドを持ち過ぎる人。
もし貴方がそういうタイプだと思うなら、気をつけてくださいね、オレオレ詐欺。
人間、そんなにいつも合理的に判断できる動物ではありません。
詐欺にかかるのは、今冷静にこれを読んでいる貴方はではないのです。
人の言葉にパニックになったり、甘言に篭絡されてしまったりした時の貴方なのです。
恋は盲目と言いますが、つまり目が見えなくなっているのに、あなたの脳は自分は目が見えているのだと言い張る、そこに詐欺の魔の手が忍び寄るとでも形容しますか、
ええと、テレビを見るように、という話がどこかへ行ってしまいましたね。
ちょっと話がややこしくなったので、又今度にさせてもらいます。
今日は名古屋に行ったわけだが、新幹線に乗るのは久しぶりだった、品川駅が開業したとき以来だから一年ぶりになる、たまには乗ってみるものだなと思ったが、東京ー大阪間はやはり飛行機かな、安部邦雄