今日で三が日が過ぎた。
いわゆるハレの日の終わりというわけで、明日からケの日に戻るわけだ。
幸いと言うか、暦では明日は日曜日。
ケの日でも休みというわけだが、意識としては既に日常に切り替わらないといけない。
その意識の差は、今も何となく生きているような気がする。
ところで、正月休みというと一般的には12/31~1/3を指していると思うのだがどうだろう。
銀行なんかは、まさにそんなスケジュールで営業している感じがする。
役所なんかもそうだし、証券取引所なども大納会や大発会を前後に挟むとしてもそんなスタンスである。
とはいえ、今やほとんどの人の意識の中では、正月休みというのは何やかや合わせて一週間ぐらいありそうである。
今回の正月は、12/29~1/4まで休みという人も多かったはず。
いつのまにか、日本人の休みはなし崩し的にどんどん増えているのだ。
私が放送局に勤めていた頃、正月休みは毎年年末闘争の争点だったことを思い出す。
制度的には、12/31~1/3が休み。
これを年末年始休日制度として、12/30~1/4までとせよという要求を出していたのだ。
会社は毎回これを拒否。
それ以上休みたかったら有給休暇で休めと言っていた。
では労働組合はなぜ、年末年始休日を増やせと言っていたのか。
ひとことで言って、制度的な休日を増やせば時給単価が上がるからである。
これは、実質的な賃金アップになるのである。
賃金が同じでも、労働時間が減るわけだから労働単価が上がる。
だから、休日を増やせと言っていたというわけだ。
時給単価が上がれば、時間外の手当も上がるわけだ。
時間外勤務を去年と同じだけしても、時給単価のアップ分だけ賃金が上がるから、労働組合は毎年その要求を持ち出していたのだ。
もう一つ、年末年始は特別出勤手当というのもあった。
制作や技術の人間は、誰かは正月にも出社していないといけない。
泊まり明け勤務などをすると、一回勤務しただけで給与以外に一万円ほど支給されるのだ。
普通なら4日間が対象だが、30日から4日までにすると対象日が6日間になる。
労働者からみると、そこそこオイシイ話だが、会社からすると余分な出費がかさむだけになる。
そりゃ、おいそれと休日をふやしますとは言えないわけだ。
さて、私なんか勤務していた頃の半分は労働組合の執行部にいたのだが、この要求だけは正直どうでもいいと思っていたことのひとつだ。
ほとんど制作の世界にいたのだから、休みが増えてもなかなかその恩恵に浴せない。
休めば、結局仕事の量がこなせないだけだ。
私は、プロの制作マンとして日々研鑽に勤めていたい方だったから、休みなんかもらうより仕事をしていたいという希望が強かった。
もっと、仕事がしたい、もっと番組を担当させろと心底思っていた。
休みなんかいらないよ。
前にも書いたはずだが、休みがほしいと皆心から思っているの?
休んで一体あなたは何がしたいの?
いや、したいことって何かあるの?
別に会社に行かなくてもいい、毎日課題を持って生きる気はないの?
結局、あんたは自分の人生をどう組み立てたいと思っているのだ。
他人事ながら、本当に気になることのひとつだ。
何が年末年始休日を増やせだ。
金だけやるから、一生家で休んどれ!
私ならきっと、そんな暴言吐いて、団交で吊るし上げられたかもしれないなあ。
あ?あ、桑原桑原。
さて明日から仕事しようと言う感じなのだが、如何せんほとんどの人はまだ休み、明後日は年始の挨拶だけというのだから、一体いつから働くんだ!といやになる、安部邦雄