散髪に行った。
前は、10月の終わり頃に髪を切ったから、何と3か月ぶりということになる。
実は、散髪屋に行くのが苦手だ。
毎回、小一時間ほど我慢しに行くという気分で、どうもしっくりしないのだ。
できれば行きたくないのだが、髪が長くなるとどうにも鬱陶しいため、結果的に行かざるをえなくなる。
自分で切れればいいのだが、不格好になったら目も当てられないのでそれだけはやめている。
虎刈りにして、あげく散髪屋に泣きつくようなカッコ悪い真似は絶対にしたくないし。
そういうわけで、散髪屋に行った。
前から、少し気になっていた店で、シャンプー、ヒゲ剃り込みで2000円である。
いつも行くところは4000円なので、半額である。
ただ、大きな店なのにいつも満席のようなので、客扱いはきっといいのだろうと思ったのである。
結果、そんなに悪くない。
最初に2000円を支払い、ほぼ30分ほどで一通りのことをやってくれる。
できばえもマアマア。
4000円の店と比べると、精神的にリラックスできる感じはなかったが、髪を切るだけならこれで十分だと思った。
大分前に、今話題の1000円で調髪してくれる店に行ったことがある。
10分間で済むので、時間の無い時には重宝だが、正直二度と行くまいと思った。
味はまずいし、見栄えも悪いが、料理はすぐ出てくるという食堂に似ている。
いくら早く食えて値段が安くても、まずいんじゃ嫌である。
散髪屋に対する客の満足度というのから考えると、ただ早い、安いだけじゃだめなのだ。
自分に対して、丁寧に、満足できるように調髪してほしい、最低限それだけのサービス精神は持っていてほしいと思うのである。
何しろ、ただでさえ私は我慢しているのである。
その気持ちに報いてくれないと、納得できないということだ。
ところで、先ほどから私は散髪屋と言っているが、放送ではこの言葉はあまり使わないように指導されている。
理髪店とか、カットハウスとか言い換えないといけない。
床屋なんて実に庶民的でいいのに、公式には使ってはいけないのである。
床屋のオヤジ、なんてNHKで言ったら袋だたきにあいそうだ。
「あわて床屋」という童謡があるが、そのうち放送禁止になるかもしれない。
すでにNHKでは要注意曲になっている可能性もある。
床屋のどこが悪いのだろう?
職業に対する蔑視?
でも、親しみを感じるいい呼称なんだけどなあ。
学校の小使いさんはダメ(用務員さん)、馬丁はダメ(厩務員さん)、お掃除おばさんはダメ(清掃員さん)。
当人がそれでいいというのなら、認めてもよさそうなものだが。
智に働けば角が立つ、情にさおさせば流される。
ま、適当に世渡りするのが一番なのかもしれないけど。
しかし、最近の理髪店の値崩れは激しい、4000円だった店も、2800円のビジネスコースとかを新設して少しでも客を呼ぼうと必死のようだ、手抜きだけはしないようにお願いしたいなあ、安部邦雄