民主党が高速道路を無料にすると宣言している。
道路公団なんか民営化するより潰してしまえ、という意味もあるのだろう。
石原国土交通大臣は、道路が渋滞化して環境が悪化するだけだと切り捨てた。
猪瀬直樹氏は、民主党は何か考え違いをしていると批評していた。
さてどうなのだろうか?
高速道路は無料だからフリーウェイと呼ばれた。
日本では高い料金をとるからハイウェイと呼ぶのかもしれない。
平成落首の一つである。
高速が無料になったら、私はおそらく休みは車を運転していることだろう。
遠出をするとガソリン代も高速代も馬鹿にならないから、気まぐれでドライブということはほとんどやらない。
確かに、私のように考える人が一杯出てくるだろうから、高速は混むことは必然だろうな。
でも、混んでもいいから一度高速無料をやってほしい気がする。
本当に環境を破壊するような事態になるのなら、そこで又有料にもどせばいいのではないか。
経済効果は確かにある。
東京湾アクアラインは、利用率は格段に上がる。
本四架橋もどんどん車が通るだろう。
でもね、本当にそれで大丈夫?という疑問もある。
東京=大阪間、高速無料になったら、客はどんどん車や高速バスにシフトし、新幹線や飛行機に乗らなくなるのではないか。
普通乗用車で東京=大阪間はほぼ1万円。
それが要らなくなるのだから、時間があればみんな東名を使うだろう。
新幹線は今の値段では絶対に客は減る。
世の中、急ぐ人ばかりではないのだ。
高速代がそこそこ必要だったから、電車にしたのだ。
そういえば、ロスはフリーウェイ中心の車社会で、鉄道網が貧弱なのは車メーカーの強い圧力があったからだとある人が書いていた。
車が便利になれば、鉄道の需要はぐっと減るらしい。
高速道路が無料になり、都心に入るところに無料(or安価)の駐車場を配置したら、1時間以上の通勤客は確実に車を使った通勤にシフトするだろう。
いわゆるパーク&ライド。
東京の鉄道会社なら、おそらく困るはずだ。
高速道路は無料にしてはいけない、そんなことをしたら、長距離客が減るではないか。
環境が悪化するのか、鉄道からのシフトが起きるのか、一度コンピュータシミュレーションでもやればいいと思うのだ。
口で言い争っていても、物差しが複雑で混乱するばかりだ。
私は、高速無料化はやってみたらいいと思っている。
高速道路はいつかは無料になるとしても、それは私達が死んでからの話だった。
何だ、早い話、ずっと有料じゃないか、と諦めてもいた。
ちょっと希望が出てきた。
これはとても明るい材料だ。
のぞみが増発されても、体のいい運賃値上げではないかというのと、全く質が違う。
明るい話は、疑問がわいても一度試してみてほしい。
少しでも明るい方へ行きたい。
不景気に苦しむ人たちはみんなそう思っているはずである。
都会の高速は有料だが、田舎の高速は無料と言われたらどうしよう?でも、そうなると田舎に帰ろうと言う人が増えるかもしれないから、日本としてはいいことなのかな?安部邦雄