先日、レンタルビデオ屋と喧嘩して、会員をやめたという話を書いたと思う。
で、そのやりとりの中で、私が「もうええわ!」と怒鳴ったのは、店員が登録のやり直しの際、一からデータを書き込めといったからである。
前の登録が昨日で切れているので、初めからデータを入れ直して新規登録すると言うのだ。
しかし、前のデータベースはビデオ屋のデータベースには入っているはずだ。
だから、私が登録の更新をしなかったという事実がわかるわけではないか。
今までに存在したデータをそのままコピーすればいい話。
何故、一から私が用紙に書き込まないといけないのだ。
ま、そんなわけでちょっとカチンときて、用紙を投げ捨てて帰って来たのだが。
どちらが正しいかどうかはこの際置いておく。
更新を忘れた場合、新規扱いで登録をやりなおすのが当店のルールだというならそれもよし。
ただ客を怒らせて帰るようでは、商売人としては失格だが。
それよりも今日強く言いたいのは、ネットの時代に入ってから、どうも自分のデータベースを安売りしているような気がしてならないからだ。
銀行に口座を作る時、クレジットカードを作る時、何かの会員になる時、懸賞に応募する時、エトセトラ、エトセトラ。
前は、それらのデータベースは単体でしか存在しなかった。
しかし、ネット時代の今は違う。
自分のデータを書き込めば書き込むほど、ネットの中で自分のデータベースが増えて行く。
つまりバーチャルな私自身が、何かに登録する度に完成して行くのである。
こんなこと無制限にさせてよいものだろうか。
考えたら、自分では何も防御策をとっていない。
まさか、悪用はするまいと思って、自分のデータベースを相手に渡しているわけだ。
しかし、ネット時代の今、この考え方は危ういのではないか。
確かに今登録した相手は、悪用する確率は高くない。
しかし、そのデータベースは何かとネットされたりはしていないのだろうか。
外部記憶装置(FDとかCDRなんかに入っていたら最悪である)に格納されたりしてはいまいか。
住基ネットでも言える話なのだが、消費者はあまりにも自分のデータベースのセキュリティに無自覚過ぎなのである。
セキュリティを考えるのは企業だけではない。
供給者側、あるいは管理者側がセキュリティを考えるということに慣れてはいけない。
自分自身に何らかのセキュリティをかけるべきではないか。
私が前からよく思っていることは、少なくとも自分自身の代理人を一人は持った方がいいということだ。
他の例でいうと、弁護士を持ったり税理士を持ったり、家庭教師を持ったりというのと同じやり方である。
自分自身のデータベースは、この代理人にハンドリングを委託する。
相手がデータを要求して来た時は、必ず代理人と確認してからデータを渡す。
あるいは、その件は代理人からもらってほしいと言えばよいかもしれない。
とにかく、これからの時代、自分一人で自分を守れるなどとは思ってはいけない。
供給者側が、そんな不埒な行いをするわけない、なんて思ってはいけない。
誰が何をするかわからないのだ、嬉しそうに自分のデータを相手に渡していては絶対危険だ。
私は、基本的にこれからの時代はエージェントの時代ではないかと思っている。
自分達をネット被害から守ってくれるのは、エージェントだと。
インターネット私見で触れていたと思うが、ミュージック・デザイナーというのも、こういったエージェントの1つである。
とにかく代理人とはネットで常につながることが可能なわけで、このあたりに次世代型ビジネスが存在すると私は強く感じる次第である。
探偵とか、便利屋さんとか、コンサルタントとか、最近こういった代理人的存在の方が増えている。
他にもいろんなジャンルの代理人が存在するはず。
一度、皆さんも考えてみるといいのでは。
ガル・エージェンシーという探偵屋さんが、最近インターネットサイトで大活躍だ、「探偵ファイル」というサイトはまるで2chと同じような世界できわめて興味深い、探偵さんがすべての代理人になる日も近いのではと思ったりもする、安部邦雄