auが第三世代携帯電話でドコモのFOMAを圧倒的にリードというニュースがあった。
auの売りは、自分の位置がわかるGPSやムービー携帯なのだそうだが、確かにちょっと便利かなと思う。
それに比べてFOMA、宇多田の顔以外何も浮かんで来ない。
便利なんだろうけど、これといって訴えてくるものがない。
別に宇多田を売っているわけではないだろうから、買いたいという気にはならないかも。
しかも、ユーザーからは悪評も一杯聞こえてくる。
使える地域が狭いとか、待ち受け時間が2日しかないとかだ。
従来品より基本性能が劣るとすれば、確かにちょっと手は出しにくい。
少し話がそれるが、家電製品のコマーシャルに何故アイドルを使うのかという話があった。
ある電気メーカーの宣伝部の人の話はシンプルだった。
家電製品と言うのは、基本的にはどこの製品買ってもほとんど同じなのです。
あるメーカーだけ、特別にこんな機能があるというのはないといってよいでしょう。
で、お客さんが選ぶ時の手助けとして、アイドルのキャラクターで差別化しているのです。
買いに来られるお客さんも、たいていキョンキョンの洗濯機下さいとか、中山美穂の掃除機下さいとか言って来ます。
メーカー名なんか、決定する為の材料にはならないんです。
いわゆる白ものといわれる家電の話だという。
音響機器とかは、アイドルよりもメーカー名の方が重要らしいが。
さて携帯電話。
これもキャラクターが誰かはほとんど関係ない。
J-phoneを藤原紀香がイメージキャラをやっていたから伸びたなんて言う人もいるが、j-phone自体の魅力がなければ売れるわけはない。
今、売上が順調なのは「写メール」のおかげである。
キャラクターが藤原であろうと、井川遥であろうと単なるフックのひとつでしかない。
携帯電話が売れる要素は、一にも二にも機能性にかかっているのだ。
「うわあ、使い勝手悪いなあ、誰某の持ってた携帯は全然便利やったし、充電もそんなにやらんでよかったのに、何やこれ、え?宇多田のコマーシャルが話題やて?そんなん関係あるか!」
ドコモさん、相変わらず売り上げが伸びているからいいけど、あのコマーシャル、結局宇多田関係者(事務所とかレコード会社とか広告代理店とかマスコミとか)がウハウハなだけではないか。
サントリービールのコマーシャルがいつも話題をさらうが、実際には消費者はちっとも買ってくれないのと同じなのだ。
松田聖子の娘がパブリシティで面白い程とりあげられても、実際にはCDがさっぱり売れないのも構造的には同種。
浜崎あゆみの項でも言ったけど、本人自体の商品価値と曲の商品価値は異質なのである。
前者はニュースバリューとしてはまだまだ高いということで、マスコミ業界はまだまだおいしい。
後者は、もろに末端ユーザーの好みの問題。
金出してまで買う程のものじゃない、といわれておしまいなのだ。
この話、まだまだ続きは書けるけど、携帯電話の文化的な推移を考察しようという趣旨で書きはじめた項なのにいつもの音楽業界論みたいになってしまった。
もうそろそろ会社を出ないといけないので、携帯電話の話の続きは又明日にさせてもらう。
とはいえ、明日書くことってまだ残っているのかなあ。
携帯電話を一人で3つも持って、使い分けている人がいるんだけど、ああいう人の意図ってあまりわからないんだよなあ、私なんか1つだけしか持っていないくせに、使い方を完璧に知らないばかりか、落とさないかとヒヤヒヤしているというのにねえ、安部邦雄