番組を作るということって、どういうイメージを持っておられるのかな。
お手本があって、それをなぞればいい。
そのうち、習熟すると自分の個性を入れて、自分にしか出来ない番組作りの完成・・てなとこか。
お手本って、どこにあるかというと、これ、既成のラジオ番組てことになるわけだ。
だから、コミュニティFMって、ほとんど県域放送(とくに東京とかの)の真似から入る。
それがカッコよく聞こえるのだろう。
だから、これをお手本にして、ということになる。
長くこの世界にいると、とてもお手本とは言えない番組も多い。
アイドル歌手のDJ番組なんて、誰かが金を出さなければ(スポンサード)成立しない番組が多い。
ディレクターで腕のいいのがいると、辛うじて聞けるものになるけど、ほとんどはやっつけ仕事みたいなものが多い。
どうせ、何ヶ月かしたら終るんだ。
スタジオ代も高いし、本人のスケジュールもタイト。
だから、色々あっても時間通りにどんどん作る。
粗製濫造の工場のようなものだ。
こんなもの、手本にするコミュニティFM哀れ。
よく、番組の作り方とか、ディレクターの心得とか活字になったりしているが、そんなもの読んだぐらいで、まともな番組など作れるわけない。
大車輪のやり方が書いてある本があって、それを熟読玩味しても、次の日に大車輪ができるかというと、できるわけないのと同じだ。
番組作りは、場との戦いであり、人々との戦いであり、時間との戦いである。
そして、最後に自分との戦いである。
これらの戦いを通じて、瞬時に状況を判断する能力が開発される。
番組を作ると言うのは、この能力開発をおろそかにしてできるものではない。
まず、お手本を見つけよう。
リスナーが支持している番組を探そう。
その番組を思いっきりまねるところから始まってもいい。
そして、その真似だけで客がついてきたら、貴方の真似は完璧ということだ。
後は、自分の個性を交えながら、自分だけにしかできないと思える番組作りに励むことだ。
真似だけで終る馬鹿も多いので、要注意である。
番組作りは、プラモデルのキットを組み立てる作業に似ていなくもない。
キットになっているから、素材はすでにここにある。
後は、設計図にそって、組み立てればいいのだが、これがなかなか綺麗に組み立てられない。
確かにできあがったものは、遠くから見ればどれも同じように見える。
しかし、近くに寄れば、その差は歴然だ。
熟練した人の作品は、見るからによくできている。
同じ素材で作ったとは思えない程に。
「イイ仕事してますねえ?」なんて褒め言葉そのもの。
結局、この「イイ仕事してますねえ?」というのが、ある意味では、番組作りの目標だ。
それはコミュニティFMであろうと、県域FMであろうと同じことだ。
ということで、今日の更新はこれまで。
これから、私は又旅に立つのであった。
番組制作ディレクターには二つのタイプがある。職人型と芸術家型。一般には職人型の方が支持されやすい。私はどちらかというと、芸術家型、だから最終的にはパージされやすい面がある、尚、このほかにディレクターという肩書きだけの、アホんだら型も世の中にはいるようだが、安部邦雄