インターネット・ビジネスというか、早い話、これからのビジネスには、次のような留意点が必要だ、と近ごろの私は力説しているわけだ。
<その1>コンテンツ→コンテクスト→デリバリー
サプライヤーがユーザーに商品を売買する時の基本要素である。
コンテンツは文字通り、商品そのものですが、コンテクストはそれをユーザーに届ける為の仲買いみたいなもの。(卸しとかエージェントとか)
デリバリーはそれをユーザーに届けるためのシステムということになる。
で、一番皆さんが重要視していないのが、コンテクストだと私は思うわけだ。
今の商売のシステムに慣れきっているから、あまり必要性を感じないみたいだ。
しかし、インターネットビジネスは1対Nの関係ではなく、N対Nの関係だと言うことに気づいていない。
供給者が少なければ、コンテクストにそれほどこだわる必要はない。
というか、すでにある業者(卸しとか小売りとか通信販売とか)で充分だ。
コンテンツが一番重要だ、キラーコンテンツが必須だと騒いでいればいい。
しかし、N対Nの関係でのビジネスはコンテクスト抜きには語れまい。
雲をつかむような話に、ユーザーは戸惑うばかりになる。
未来のビジネスの留意項目、それこそコンテクストである。
<その2>インターネットの3原則、ライト、シンプル、リアルタイム。
ブロードバンドだから重いものを運べるなんて考えない方がいい。
ネットの流通は、ライトが鉄則。
軽くできるものはできるだけ軽くする。
人間の脳は日々それを行っていることに貴方は気づいているか?
頭のいい、悪いは、ひとえに複雑なものをシンプルなものに変換する能力にかかっている。
人間の脳が、どれだけ新しいショートカットを試しているか、なかなか自覚出来ないことではあるが。
頭のいい人は、ショートカットがうまいのですよ、皆さん。
リアルタイムというのは、インターネットの大事な点ですが、私が提唱しはじめたとはいえ、中味がまだ簡素なので反論して下さる人は大歓迎。
私としては、本質をついていそうな予感がしているのだが。
<その3> トライヤー→リピーター→ロイヤル(ヘビー)ユーザー
ネットビジネスだけではなく、顧客商売というのはすべからくこうありたい。
ワン・ツー・ワン・マーケティングの基本中の基本。
とにかく一度来てもらって、いい印象を持ってもらって、又来てもらう。
何回も来てもらううちに、顧客として商売の底辺を支えてもらえるようになる。
お客さまは搾取する対象ではない。
共に、商売を発展させていくパートナーである。
ひとりひとりのお客さまから、日々学ぶ、それが商人の心得と知るべき。
松下幸之助さんが言ったとか言わなかったとか。
今、少し研究中なのが「イノベーター理論」。
商品が普及して行く、その端緒を作るのがイノベーター(革新者)と呼ばれる先端的消費者だ、という話。
これは、もう少し勉強してから、インターネットビジネスに応用するつもり。
ま、とりあえず、今の私を簡単にまとめてみました。
近頃の私のビジネス観はどんどんシンプルになっております、ダメなものはダメ、方向OKなものは、いつか完全にOKになる、そのコツはいかに己をシンプルにするか、って、こんな言い方のどこがシンプルやろか、安部邦雄