歳ですねえ。思い出せないという経験が加速度的に増えている。
今も、あるバンドの名前が思い出せない。
リーダーは、ブライアン・フェリーで、彼は後にソロ活動に。
「ラブ・イズ・ザ・ドラッグ」とか「東京JOE」とかのヒット曲あり。
デビッド・ボウイーとイメージが重なり、グラムロックの系譜に連なる。
そのバンド名は?
音楽ファンならもうわかっていることだろう。
あんな有名なバンド、忘れちゃうの?と思われるかもしれない。
そう、覚えていて当たり前なのだ。
何回、その名前を口にしたことか。
でも、ダメなのだ、さっぱり思い出せん。(冗談で言っているわけじゃないよ)
ということで、ここで本当にヤフー検索。
その答は! ロキシー・ミュージック!
はあはあ、なるほどねえ、、、。
ここで、いつものように私は思った。
確かにその名を使っていたような気がするが、昔のように「そうそう!ロキシー・ミュージック!」という実感がない。
ロキシー・ミュージック?ちっとも実体感というか親近感がわいて来ないぞ!
あれ?そんな名前だっけ?と思うことが多いのだ。
これがひどくなると、きっと身内のモノに出会っても「お宅、どちらさん?」というボケ老人になってしまうのだろう。
昔、あれほど慣れ親しんだ名前にも、実感がなくなる。
先日は、「プリティ・ウーマン」の主演女優が思い出せなかった。
苦吟のすえ、何とかひねり出したのが「ジュリアン・ロバーツ」だった。
でも、ジュリアンじゃ男の名前だなあ、ジュリアかもなあ。
ジュリア・ロバーツ?う?ん、こんな名前だったかなあ。
外人の俳優って、前からそういう面もあったのだが、どうも覚えるのが下手なのだ。
シルベスター・スタローンも時として忘れる。
ええと、「プラトーン」に出ていた、何とかショーンとかいたな?いや、違う、あいつはチャーリー・シーンだ。
NFLのデンバー・ブロンコスで活躍していたQBは?
う?ん、思い出せん。
何回も口に出して、その迫力を何度賞賛したことか。
でも、欠片すら浮かんで来ない。
前なら、のどの近く迄来ているのに出て来ないという感覚もあったのだが、最近はそういう感じもない。
ヒントも何もない、というか。
何しろ、答を言われても、一瞬、あれ?そんな名前だっけ?と思うくらいなのだから。
再びヤフー検索へ。
ジョン・エルウェイ!
うわあ、覚えている自信ないなあ。前はLウェイって覚えていたのになあ。
ついでに言うと、良く使うくせに、「パラダイム」という言葉も出て来ないことが多い。
パラダイム変換とか、パラダイムが変わったと言うことに気づくべきだとか、人を説得する時によく使うのだが、はっとしたら記憶から消えていたりする。
困ったことだ。
おそらく、忘れやすい言葉というのは、そういう言葉が隣り合わせに格納されているのだと思う。
それで、何かのトリガーが働いて、一瞬にしてアクセス不能になる。
一部は、消去されたりする。
本来そのような所におくべきではないのに、覚える時に他に良い場所がないので、仮に格納しておいたのだろう。
だから、いつもいつもアクセス可能ではないのかもしれない。
ある一定時間、そういうモードで頭が暖められた時、解凍されるように、それらの言葉が浮かび上がってくる。
とにかく、毎日毎日、新しい情報が雲霞のように押し寄せてくる。
若い頃は、私の記憶領域も、充分余裕有りで、覚えなくてもいいものまで覚えられたものだが、今や、記憶領域は、様々な断片情報が乱雑にとり散らかっており、努力して整理し直さないと、とてもランダムアクセスができる状態ではない。
歳をとって、物事を思い出せなくなる。
おそらくそのメカニズムは以上のようなことなのであろう。
普段から、情報の整理整頓に時間をかけるか、忘れてもかまわないと居直って、とにかく新しい情報に脳を接触させ続けるしかないだろう。
諦めたら、終り。
ボケ老人の道しかないのだ。
でも、神の最後の慈悲が「人間に忘れるという能力を与えた」ことだとしたら、あまり世界に抗わず、どんどんぼけて行くことの方が幸せなのかもしれないけどね。
今回も年寄りくさい話になったけど、途中で書いたことは全部リアルタイムのこと、今、他に思い出せないのは、田中真紀子さんと対立していたヒゲの外務次官の名前かな、安部邦雄