夜中、悪い夢にうなされる。
ゴルフに行こうとして、タクシーをつかまえたが、何と仲間が6人もいて、みんなで乗ろうとする。
いくら何でもタクシーに6人は無理だろう。
それでも、タクシーが一台しかないのだから、とにかくそれに乗るしかない、ということになって、もう無茶苦茶。
しんどいなあ、と思っていて目が覚めたら、熱があり、のどが炎症を起こしていた。
熱が出ると、私はいつも理不尽な夢を見てうなされるようだ。
言葉にすることが難しいような夢。
思うのは、合理的でないことは言葉にできないということだ。
タクシーに客が6人乗ったのは、20年ぐらい前の本当の経験の記憶からだろう。(実際は男4人、女3人)
兵庫県の日本海側にハチ北スキー場というのがあるのだが、帰る時にタクシーを頼んだのに、1台しか来なかったのだ。
タクシー会社も一生懸命空きを探してくれたのだが、30分ぐらい来るのにかかると言う。
しかし、私達が乗る電車は30分も待っていたら駅を出て行ってしまう。
しかたがないので、タクシーの運ちゃんが一言。
「みんな、乗って下さい!」
スキーを7本もルーフに置き、荷物も大きいのはトランク。
小さいのは手で持つ。
前の座席に2人、後ろの座席に4人がすわり、その膝の上を1人が横たわる。
とにかく、タクシーに途中で出会う迄、これで我慢してくれというのだ。
女性に2人ほど小さい人がいたので、まだ何とかなったが、ふもとのあたりで、別のタクシーに会う迄本当の苦行であった。
でも、こういう過去の話は懐かしく暖かいが、この夢に出てくる連中はちょっと深いな奴が多かったなあ。
しかし、風邪をひいて、一日中ずっとしんどい。
薬でも飲むかと思ったが、何年も前のパブロンが2袋あるだけ。
いや、何年どころか十年ぐらい前のものかもしれない。
参ったなあ。
風邪の特効薬が開発されたなんてニュースがこの前あったが、あれもいつ実用化されるのかわかったものではない。
風邪のビールスは細菌ではない。
ビールスの増殖の仕方は、癌細胞が増殖するのと同じなので、何か薬を飲めば死ぬというものではない、と中野不二男さんというノンフィクションライターが書いていた。
この人の話は、ニュースの中に含まれる科学の世界をやさしく紹介してくれるので好きだ。
大体、田中耕一さんはノーベル賞であほほど有名になったが、その対象になった研究はほとんどの人が知らないというのはどういうわけだ。
「タンパク質」がどうたらこうたら、「偶然にできたんですよね」でどうたらこうたら。
テレビで紹介されることの程度の低さよ。
私が田中さんだったら、もっと研究課題について紹介して下さい、私のことはどうでもいいでしょう、と皮肉の1つも言うだろう。
結局、又、田中さんもマスコミの餌食になって、視聴者という金のなる木に消費されているのだ。
何を研究したのかでは、視聴率はとれないのだから。
癒し系なんて、トレンディなレッテルを貼って、彼の紹介をするだけでOKなのだ。
北朝鮮や、ロシアだけではどうしても重くなる。
それで言うなら、皇室の「愛子さん」もオモチャ扱いである。
何か夢もグロテスクだが、現実も同じようなものかもしれない。
あ?あ、益々熱にうなされそう。
年に一度の恒例行事とはいえ、風邪だけはやっぱり憂鬱だなあ、安部邦雄