インターネット私見を最近全く書いていない。
書きたいことはあるが、この欄の更新に精力を割いているせいか、なかなか書く為のパトスが湧いて来ない。
で、この欄でちょっと一言だけインターネット私見らしきことを。
今日の東京新聞だったかな、音楽配信が電子透かし技術を採用して本格化、なんて記事があった。
署名記事だったから、別に東京新聞を責めても仕方がないのだが、一体どこのレコード会社が電子透かしを使って音源配信を始めたというのか。
電子透かしは確かに有効な著作権管理技術だが、採用した会社なんて私は聞いたことがない。
あのavexだって、今年の株主総会で「電子透かしは音質に影響を与えるのでCCCDを採用した」と答弁しているのだから。
というか、新聞に載る音楽配信の記事って、ヨタ話が多すぎるのは何故なんだろう。
早い話、音楽関係の記事なんて、新聞社としては大して重要なものではないのだろう。
少々嘘を書いていても、ノーチェック。
もともと、音楽界なんて虚業みたいなものだと言われればそれまでだが。
CCCDをどう思う?なんて話が最近ようやく業界人の間で交わされるようになった。
放送人は、CCCDはオーディオファイル(いわゆるDAF)に登録出来ないので困っていると言う。
レコード業界側も、放送局のニーズにどう対応したらいいか、答が出ていないそうだ。
著作権管理と言う問題も、音楽界はあまり必死でなかったことも事実。
今迄通りで何とかできませんかね、という態度しか見えて来ない。
右往左往している間に、技術はどんどん進み、その余波を受けて行き詰まるレコード会社が出て来ている。
業界ウォッチャーとしては、この事態しばらく続きそうな気がする。
音楽業界再編と言う状況も又起きるかもしれない。
インターネット時代、特にBB時代に対応する技術を電気メーカーは次々に開発して来ているが、なかなかBtoCのビジネスモデルにならない為苦吟しているようだ。
メーカーというのは、結局BtoBには強いが、本当にユーザーと直結するようなインターネット環境には方法論を持たないようだ。
新しい技術を開発したので、どういうところで活用できるか意見を聞かせてほしいと言われるのだが、どれもユーザー無視の思想しか感じられず、まず普及しないでしょうと答えることが多い。
ネット時代には、ユーザーの利便性を抜きに商品開発なんてすべきではない。
使われなければ価値は発生しない。
開発や宣伝に金を注ぎ込めば、客は後からついてくるなんて幻想は、大量生産大量消費時代の遺物だ。
ネット時代は、個々のユーザーのライフスタイルに注目しながら、こまめに情報を市場から吸い上げることにつきる。
とにかく、過去の成功体験をまず捨てるべき。
とりあえず、月並みな答になってしまって申し訳ないが・・・。
秋の日はつるべ落としの夜寒かな、安部邦雄