デフレを解決しない限り、不良債権の処理はできないという。
本当はデフレと不良債権なんて何の関係もないはずなのに、金融機関が土地の値段を過度に評価し過ぎたために、貸付金が次々に不良債券化しているのだ。
それを処理する為に、税金を使うのは仕方がないことかもしれない。
しかし、そんな形で金を貸し込んだ金融機関の責任はどうするのかというのが解決されていない。
変な話だ。
借りた側は倒産という形で責任をとっているのに、貸した側は不可避だったとして、責任はとらなくていいような気になっている。
国民の税金で処理するのなら、そんな所に貸し込んだ責任はとって当たり前だろう。
俺達だけじゃない、貸し込んだのは皆そうだ。
だから、皆で責任をとるしかない。
何で俺達だけが責任をとらないといけないのだ。
よくあるパターン。
失敗したら、皆の責任。
成功したら、自分の手柄。
エリートはいつもそうやって、自分を一般人から区別している。
エリートがのさばる世の中なんか、ろくな世の中じゃない。
何度も言うが、一般人からするとデフレなんてそれほど怖くはない。
倹約し、つましい生活を送るようにすれば、何とか幸せに生きられるのだ。
確かに、今の便利な生活を手放すのは辛い。
でも、他に仕方がないというなら、手放すものはいくらでも手放す。
電力の使用をセーブしろと言われればするだろう。
車に乗るなというなら、できるだけ電車にしたり歩いたりするだろう。
贅沢な食生活はもうやめる。
ビールを飲むなというなら、我慢するだろう。
デフレはそれほど怖くないのだ。
最低のセーフティネットさえあれば、何とか生きる自信もある。
日本人というのは、デフレに強い。
私は、絶対にそう言い切る自信がある。
アルゼンチン人とは、そのあたり全く違うのである。
むしろ、日本人はインフレに弱い。
倹約しても、値段はいくらでも上がる。
個人的にはどうしていいのかわからない、それがインフレなのである。
買わなければいいのではない、買えなくなるのだ。
インフレターゲットとか、調整インフレとか、今迄一度たりとも行った事がないインフレ政策なんて、今の政府に自信があるとは思えない。
そうなったら、好都合というだけであって、世の中そんなに思い通りには行かないのが常だ。
デフレを止めるのが土地の値段を上げるのと同義語だったら私は大反対だ。
今でも東京の土地の値段は高い。
せっかく利用価値がそのまま土地の値段に反映されはじめているのに、それとは関係なく土地の値段がまた上がるような政策は大反対。
私が社会人になったころ、30%以上の大インフレだった。
諸物価高騰と言う言葉も良く使われた。
そんな時代は二度と来てほしくない。
借金チャラにするような政策にろくな政策はないと私は強く言っておきたい。
とはいえ、マイホームを買った人にとっては、インフレになり借金が実質的に減って、給料もそこそこ上がるのなら嬉しいと思うだろうな、問題は給料がこれからも貰えるかどうかだけど、安部邦雄