銀行がピンチだ。
かって大蔵省の威光の下、不動の地位を占めていた大手都市銀行。
今や、風前の灯火状態。
何が彼等をそうさせた?
主要駅の駅前には、必ず大手都市銀行の支店があった。
私の住む浜田山駅前には、ついこの間まで、第一勧業、東京三菱、三和、さくら、大和と店を構えていたが、今やみずほ(第一勧業)と東京三菱しか残っていない。
ATMだけ残しているのも、大和とUFJ(三和)だけ。
それも店鋪のリストラの一環で、近々撤去されそうな雰囲気だ。
確かにコンビニが、その代わりを果たしはじめているので、そういう事態が起こっても不思議ではない。
銀行って、都会にいるとどこにでも存在しているというイメージだった。
田舎に行くと、なかなか銀行が見つからないというのも何度か経験。
沖縄に行った時なんか、カードが使えない店もあって、必死になって現金をおろせる銀行を探したものだった。
しかし、どうやら銀行の支店はどんどん私たちの周りから減っていきそうな雰囲気である。
もう、銀行は預金なんかいらないという話も聞く。
住民の人にどんどん口座を作ってもらって、公共料金の引き落としに使ってもらったり、ボーナスの定期預金化をお願いしたりということは、もう昔の話だとか。
口座を作る時の費用も馬鹿にならないし、そのための行員に払う人件費もムダ。
金を預けてもらっても、融資する相手がいない。
かって都会は銀行が利益を出す絶好の場であった。
今は、そんなメリットがなくなった。
最小限に支店数を押さえたい。
今の都市銀行のインセンティブはそれしかないのだろう。
銀行が大幅に業務を縮小しないのは、弱味を見せたくないということに尽きる。
レイムダック状態になることを恐れるからに他ならない。
確かに、そう思われたら最後、株式市場での売り浴びせは凄絶をきわめるであろうことは、火を見るより明らかだろう。
まるで、綱渡りそのもの。
少しバランスを崩せば、谷底へまっさかさまだ。
しかしなあ、銀行って、本当にこんなにもろいものだったのか。
小学校の時、子供銀行とかをやらされたりしたが、銀行の位置づけはこんな不安定なものではなかったはずだ。
皆さんのお金は、国や地域の発展に寄与し、そこから得た利益の一部が、預金者に還元されるのです。
さて、今の小学校では、どう教えるつもりなのだろう。
それとも、こんな子供銀行のような児戯に値するようなものは既に廃れてしまっているのだろうか。
銀行は私達のお金を替わりに保管してくれる場所であり、保管費用は一切いらない上に、利息迄つけてくれる、とても親切な機関。
そう、最近の銀行ってそんなイメージだ。
それ以上のサービスを要求してはいけない。
しばらく、文句をいわずおとなしくお金を預けておきなさい。
そういうメッセージさえ聞こえてくるような気がするのだが。
今日で11月も終り、寒いのでとっくに12月が来ていたような気になるのだが、寒さもこれからが本番だ、今年は暖冬だと気象庁は前に予測していたのに、今日その予測を変更して来た、やっぱり平年並に寒いとか、予測するのも最近は難しいという状態なのかな、安部邦雄