昨日、帰りの電車の中でのことだった。
席に座り、夕刊を読んでいると、隣にあまり背の高くないオバさんが座ってきた。
重い荷物を網棚に乗せようとするのだが、実にあぶなっかしい。
気になるので、ずっと見上げていたら、オバさんが「すみませんね。」と申し訳無さそうに言う。
「かましませんよ。」と大阪弁で答える私。
その人は、言葉がよくわからなかったのか「え?」とやや強い声を出された。
「かまいませんよ」と言う意味の丁寧な大阪弁である。
テレビに出る大阪芸人が使うような下品な言葉ではない。
大阪弁には、こういった丁寧な言い方も多いのである。
「?しはります?」というのも、大阪人以外はなかなか使えない言葉である。
「飲みはります?」「しはります?」「使いはります?」、これらの言葉は目上の人や、見知らぬ人に対して丁寧に対応するとき自然と口に出る言葉だ。
私の家来には、絶対に使わない。
だから、彼等は私がそういう言葉を使うのを聞いたことはないだろう。
彼等が聞く私の大阪弁は、仲間か目下を相手にする時の、日常会話である。
私の頭の中には、あるシチュエーションにしか使わない言葉も一杯格納されている。
お正月にしか、まず使わないだろうなと思うのは、おせち料理の類いに多い。
(おせちだって、お節、すなわち節目節目の料理のことだが、正月以外には全く使わない。)
例えば、田作りなんてものがある。
ごまめのことなのだが、家では昔から田作りとみんなが呼んでいる。
しかし、正月以外食べないから、普段はほとんど口にはしない言葉だ。
他にも紅白なますとか、たたきごぼうとか、とにかくおせち料理に入っているものには、すべて何らかの理由があるのだ。
どれもおいしいからとか、見栄えがよいからという理由だけで入っているわけではない。
エビとか蓮根とか、棒ダラとか紅白蒲鉾とか。
などと書いていて、肝心のオバさんの話がどこかへ行ってしまった。
ご承知のように、私、今日は朝からゴルフに行き、その後ちょっとライブを覗いてきたので、とても眠たい。
とりあえず、今日は問題提起だけでご勘弁を。
今日はとても寒かったよー、ゴルフ場の池は凍っているし、グリーンはかんかちこで、オンしてもポーンと跳ね上がる始末、至るところに霜柱が出ていて、ちょっときつい一日でした、安部邦雄