初風呂に行く。
意外と賑わっていた。
番台のオバさんも上機嫌。
昔の銭湯のにぎわいが蘇っていた。
でも、混んでる風呂よりすいている風呂の方が消費者にとっては好ましいのだが。
このあたり、商売の難しさと言える。
電車とかバスとか新幹線とか飛行機。
公共の乗り物が大抵そうだ。
供給者側からすれば、混んでいれば混んでいるほど儲かる。
消費者からすると、混んでいるのはできれば回避したい。
飲食店なども基本的には同じだと思うのだが、東京では少し事情が違うのかもしれない。
行列しないとラーメンを食った気がしないという人もいる。
新しくできた丸ビルのレストラン街も値段の割りには人が並んでいる。
わざわざ並んでまで食べたいとは思わない。
こう思うのは私が関西人だからだろうか。
年末にラーメン屋ベスト100なんて番組を放送していたが、全く興味が湧かない。
この寒いのに外で並んでまでラーメンごときを食べたいか?
私が今まで一番並んだのは70年の大阪万博の時かな。
アメリカ館は結局見られず、1時間半並んでソ連館は見た。
当時のソ連の国力って、今から考えるとすごいものがあった。
一番の目玉がボストークがドッキングしている模型だった。
アメリカ館は月の石(69年の最初の月面着陸で持ち帰った)が目玉だったが、見物としてはボストークの方が上だったのではないか。
とはいえ、どちらも大変な人気だったな、と懐かしく思い出している。
行列ができない店は駄目な店というのは東京スタンダードなのだろう。
大阪人はむしろ、行列ができるなんて絶対裏で何かが操作されていると考えるのではないか。
人気があるから行列ができるのではなく、わざと行列ができるような仕掛けをしているのではないかと。
結果的に行列ができるのではなく、行列を演出することによって客を呼ぼうと言うのだろう。
だいぶ前にカツオの一本釣りの話を書いた。
カツオを引き付けるために、船から水をまき海面を泡立たせる。そうすると小魚がいるものと間違えてカツオの捕食活動が活発化する。
それを一本釣りするという方法だ。
今の音楽業界はそんなやり方でユーザーに無理やりCDを売りつけているという話を書いた。
このやり方は、悲しいかなマーケティングなんてハイカラなネーミングをつけられ、広告代理店の営業トークになっている。
彼等にとって俺たちは、捕食活動に熱心なカツオみたいなものなのだろう。
バカバカしいと思う私は、ますますラーメン屋に行くことをためらう。
行列のできるたこ焼き屋も同様である。(ま、あれは焼き上がるのに時間がかかるからしかたがないかもね。)
昨日、新年の所感は又明日と言ったが、そんな余裕は全くなし、ま、そのうち書くでしょう、安部邦雄