最近、マスコミの話題の半分は、イラク情勢と北朝鮮。
確かに大事なことだろうけど、世の中、イラクと北朝鮮だけでできているわけじゃないだろう。
ワイドショーに引っぱられるように、イラクと北朝鮮の話題ばかりじゃ、もう飽きてしまう。
とりあえず、是非報道してほしいことは、イラク国民、北朝鮮国民の意見だね。
簡単に取材なんかできないのはわかっているが、周辺の取材できやすいところにばかり行って、後は勝手な推測、というパターンが多すぎる。
営業時代を思い出す。
営業マンはスポンサーに行くのが嫌だから(たいてい、相手にされないし、代理店に行ってスポンサーの情報をとるほうが楽)、代理店情報だけで、スポンサーはこう考えていると会議で報告することが多い。
上司も、おそらく自分もヒラの頃そうしたからなのだろうが、スポンサーからの一次情報ではなく、代理店からの二次情報だと気づく。
そこで、上司は突っ込む。
「おまえ、スポンサー行ったんか?」
「行ってません」
弱々しい声で営業マンは答える。
「スポンサーの話聞いてこい、ばかもん!」
私は会議に出席しながら、嫌というほどこのやりとりを聞いた。
大きな代理店を担当していたら、そこの媒体担当の話だけで、営業会議に出すぐらいの話題は集めることができる。
しかし、それは二次情報にすぎない。
誰かのバイアスがかかっていると思わないといけない。
本来、営業としては、やはり一次情報に如何にアプローチできるかが腕のはずなのに、放送局の営業マンなんて所詮こんなものかとよく思ったものだ。
で、今のマスコミに言いたい。
現場に行ったんか?
当事者の声を聞いたんか?
二次情報、三次情報で、推測記事書いただけとちゃうんか?
社会部あたりの記事、つまり国内の事件ぐらいだと、当事者の声をとりに偉そうに出て行く報道マンは多い。
しかし、相手がちょっと手強いと誰も取材に行かない。
二次情報ばかりになる。
ヤクザ、政治家、芸能界、海外ネタも実にいい加減。
だいたい、営業時代の上司も、ほとんどスポンサーに行くことは辛そうだった。
それでも、思いきり虚勢をはって彼等は言っていたのだ。
「スポンサー、行ったんか!」
マスコミよ、本当におまえらも楽ばかりしないで、中味のある報道をやってくれよ!
しかし、頭のいい奴ほど、憶測で物事を言いがちなんだよな、一次情報で事実を構築してから、憶測でも推測でもいいから、全体を語るべきなのだ、しかし、今の人、本当に自分の足で情報を得るのが苦手なようだ、安部邦雄