中森明菜というと、最近はトラブルメーカーというのが一般のイメージ。
紅白のリハでは、キーが合わないからブーたれていたとか、スタッフに八つ当たりしたとかのバッドニュースばかり。
昨年暮発売の過去の曲の焼き直しCDは、そこそこ売れたらしいが。
でも、中森明菜って、どうしてこんなにバッシングされるのかね。
私の友人にプロダクションの社長がいるのだが、この人、数少ない中森明菜の擁護者。
業界人としては数少ない人格者の一人なのだが、明菜が芸能マスコミからあることないこと言われるのが可哀想でならないらしい。
いい?
あの子にとっては、今回の紅白というのは、大イベントなんだよ。
しばらく、テレビで歌うこともやってないし、大観衆の前で歌うなんてのもなかった。
あの子にとっては、一世一代の大舞台なんだ。
で、リハをやったら、キーが少し高かった。
昔は、楽譜を本人がバンドに渡すというのが普通だったけど、今はそんなシステムじゃない。
事前にバンドに渡していた楽譜が間違っていたわけ。
そんなのスタッフ、何していたんだということなんだけどね。
でも、今のあの子のまわりには、そういうことも満足にできない連中しかいないんだ。
キーが違うから歌えない。
直ぐにキーを変えた楽譜の手配もできない。
そりゃあ、辛いだろう。
そこで混乱したあの子が文句を言うのは当たり前じゃないか。
これをワガママだなんて言ったら、あの子が可哀想だ。
デビューの頃からずっと中森明菜を見て来た私の友人は、どれだけ明菜ちゃんがイイ子なのか、たくさんの例を出して来て熱心に私に語りかけて来た。
でも、彼女のワガママイメージは消えない。
ひょっとしたら、私もワガママなアイドルという先入観を持ちすぎなのかもしれない。
でも、私は何度も言うのだが、芸能界のスターって、わがままでなかったら絶対に精神のバランスなんか保てないはず。
業界は、ダブルスタンダード、トリプルスタンダードは当たり前。
金の為には簡単に人を裏切る奴ばかりだし、ほとぼりがさめれば又何事もなかったかのようにすりよってくる。
マトモな神経していたら、苦しくて仕方がない世界だ。
だから、神経のある部分を鈍感にするなり、周囲に八つ当たりして、自分のテリトリーを守るしかなくなる。
浜崎あゆみもおそらくそんな境遇にあるのだろう。
それでなければ、タイ王室に対してあんな非礼な行いはできないはずだ。(とはいえ、週刊文春の記事が全部正しいとは思わないが)
でも、中森明菜は、きっと心はとてもやさしい人なのだろう。
それでなければ、自分の手首を切ったりするような、自虐的なことはできない。
本当にわがままな奴は、相手の手首を切り落とすはずだ。(おお、こわー!)
それで行くと、松田聖子はしたたかだ。
本当は何考えているのかわからないけれど、人間の生き方としては参考にするところも多いのではないかな。
でも、怖いのは、強い人が弱くなった時。
美空ひばりさんも、晩年病気になってからは、見る影もないほど弱くなって行った。
強く見える人は、とことん強く見せない限り、生きて行くことはできない。
レイム・ダックの譬えどおり、相手に弱味を見せれば、一斉に飛びかかられて終わりなのだ。
奢れるものは久しからず。
強いだけでは、人間生きていけない、ということですか。
人を信じられなくなったら終わりです、走れメロスなんかその象徴、あなたには心から信じられる人、何人いますか?安部邦雄