ほぼ日刊イトイ新聞で、糸井さんが「最近、バラエティ番組を見なくなった、これはお笑いバブルがはじけたから?」なんて書かれていた。
確かに最近バラエティ番組が一時ほど見られなくなったというのは事実のようだ。
その理由は、皆が飽きたから?
飽きたのも事実かもしれないが、私の意見は次のことにつきる。
バラエティ番組の構成が「うざったい」のだ。
バラエティはまだまだ十分面白いクオリティを持っている。
ところが、構成の仕方がユーザーをちょっとカチンという気持ちにさせる事が多くなった。
もうおわかりだろう、そう、CM前後の処理の仕方にイライラさせられるのだ。
ワンパターンと言っても良い。
観客の気持ちを思いきり引っぱって、さあメイン登場!という時に、いきなりCMに変わる。
CMを効果的に見せたい、ザッピング(チャンネルをリモコンで変える事)されたくない、という供給側の論理はよくわかる。
だから、CMの前に盛り上げ部分を作って、その先を見たいと言う気持ちに観客をさせ、ザッピングしにくい精神状況にさせてCM。
してやったり、という気持ちに演出側はなるのかもしれない。
しかし、これを何回も繰り返されると頭に来る。
お前ら、なめとんのか、同じやり方ばかりしやがって、何が「今日の御注文はどっち!?」だ。
どうせ、そこでCMだろ。
二度と見てやるものか!
これは断言しても良い。
バラエティ番組でこの方法をとらない番組の方が、絶対に支持率は高い。
「この後、大変な事態に!」なんてのも多用される。
大変な事態なんかあるわけないのにだ。
最近のバラエティ番組、まるで香具師そのものだ。
前に、私が言った「蛇を口から呑んで下から出す。」と言った口上と同じ手口だ。
それで気を引いて、観客を自分の思うようにマインドコントロールする。
そして、嫌でもコマーシャルを見ないと仕方がないようにする。
これを香具師的な手法と言わずに何と呼ぼうか。
で、このやり方が一番合うのがバラエティ番組なのである。
彼等は知らぬ間に香具師になりさがっているのである。
それをまるで自覚していないのが、悲しいのだ。
このやり方、報道番組とかスポーツ中継とかドラマという本当のコンテンツを扱うものには使えない。
たいてい、小手先の演出で客の心を引っぱろうという、チープな作りの番組に目立つのだ。
観客もバカではない。
だんだん、この手法がうざったくなってきているのである。
そんな見せ方するんなら、もういい、二度と見てやるか!
知らぬ間に、観客から反感を持たれているにも関わらず、鈍感な制作陣は気づいてもいない。
何か、この現象、音楽業界のCCCD騒動にも似ている。
制作者側の勝手な都合で消費者に迷惑をかけているのに、目的にばかり目が行って、二次的な影響に鈍感過ぎるのだ。
何が、著作権の保護だ。
観客の自由な選択を阻害していることに、どちらも何故気がつかない。
だから、コアでない部分(いわゆる周りに集まって来たユーザー)が、知らぬ間に消えて行くのだ。
バラエティ番組は、今のような小手先の演出は即刻やめろ。
そうでないと、私も二度と見てやらないぞ。
早い話、放送現場の人材が質的に低下しているのだ、誰がやっても同じような番組が作れるようになって、緊張感が薄まっている、FM局の状況も似たようなものだが、安部邦雄