音楽CDが売れない。
違法コピーのせいだ、ファイル交換が元凶だ。
このままでは音楽文化は廃れる。
何とかしないと、今に大変な事になる。
音楽業界人がこういう言い方をするのが最近とても気になる。
確かにCDの売り上げは落ちているのだろう。
このままでは先行投資した金がリクープできない。
資産的に潤沢でない業界なので、赤字が続けばやばくなるのは目に見えているのは事実だが、しかし、違法コピー云々だけで状況が開けるとはとても思えないのだが。
ひとことで言うと、国民的な消費額が減っているのだから、音楽CDが売れなくなるのも当たり前ではないかと。
2年ほど前には、確かヤング層が携帯電話に金を使うのでCDが売れないと言っていたはず。
今度は違法コピーなんだとか。
どちらも、影響がないとは言えないが、本質的な問題とはとても思えない。
音楽CDだったら、何でも買う時代は過ぎたと思った方がいいのではないか。
インターネット私見でも言ったが、「カツオの一本釣り」商法は、もうユーザーに読まれているのかもしれない。(「インターネット私見<その7>の付録参照)
太刀筋を読まれたら、いくら武蔵でも勝てないのだから。
ついでに、肝心な事を忘れていた。
考えたら、昨年の今頃はワールドカップの前哨戦でわいていた。
高いチケットを我先にと取り合いしていた。
ワールドカップ関連の金が業界も含めてどんどん消費されていた。
一体、あのワールドカップで若い連中はどれだけ金を使ったのだろう。
今年はその反動で、金を使えない、ということはないだろうか。
ワールドカップというハレに金を注ぎ込んだ若者達は、その後のケの間はじっと隠忍自重している。
もう、あんな金の使い方はしばらくやめよう、そう思ってはいまいか。
だったら、金を使わないのは当然ではないか。
ワールドカップはそれほど、彼等の財布を解放させたのだ。
いつまでも、財布の口を開けている奴は単なるアホである。
言うなら、金もないのに、ワールドカップだからと思いきり金を使ったのが去年なのだ。
これは小渕首相が、景気を上げると称して膨大な財政出動したのと同じである。
しかし、景気は回復しなかった。
ワールドカップが終れば、祭りの後の空しさしか残らなかった。
もうだめぽ、である。
自民党の亀井氏が50兆円の補正予算なんて言っている。
又ハレを人為的に作ろうというのだろうか。
その後に来るケをどうするつもりなのだろう。
昨日も書いたが、大事なことはパラダイムの変換である。
どこにそれがあるのか。
ワールドカップ後遺症と同じような事が、また繰り返されるだけかもしれない。
忘れる事の早い日本人は、どうしようもないと言うべきなのかな。
堺屋さんがイベント至上主義みたいなことをよく言われるが、残念ながら氏の提唱したインパクは大失敗だった、愛知万博も成功しそうにないし、もうハレに頼った経済政策には限界があるのかもしれない、安部邦雄