外へ出る。
冷たさが、身体のすきまから中へ入ってくる。
昔は、寒さもまた仲間だった。
冬になると訪れてくる友達、確かに寒いし冷たいけれど、それを苦にすることもなかったような。
春もまた友達だったし、夏は時には鬱陶しいほどの湿気を漂わせていても、決して私の敵ではなかった。
あの夏の日の太陽は、私の青春そのものだったし。
秋、そこには詩が生まれ、もの皆、無常を語りかけてきた。
そして今、冬も、春も、夏も、秋も、私には過酷なものになってきたような気がする。
ただ耐えるだけの毎日、家に逃げ帰るだけの毎日。
住空間そのものが自然を拒否するようになってから、自然は私を拒絶するようになった。
確かに、家の中は暖かで、布団の中はつかの間の休息所。
だが、それに慣れた体は、いつのまにか自然の拒絶を受けるものに変わってきたのではないだろうか。
おまえは仲間ではない。
だから、外にいると私はとてつもなく辛い。
足がしびれ、ひざが痛み、身体が右に左に揺れ動く。
本当に耐えることしかすることがないのか。
自然とともに生きていた日々がただ懐かしい。
いわゆるメタファーの世界ですね、たまにはポエムもいいかと、安部邦雄