不愉快なコマーシャルは色々あるが、最近では「キャッシュワン」が一番目障りだ。
消費者金融(サラ金)の分野に、借り手がいなくなった銀行業界が乗り出しはじめたのは2年ぐらい前から。
「モビット」「アットローン」「キャッシュワン」、どれも大手都市銀行系列のキャッシュローン会社だ。
前者の2社は、まあ許せる。
金が足らなくったら貸してあげますよ、というメッセージは他にもいくらでもあるからだ。
「キャッシュワン」のメッセージはひどすぎる。
遊びに行く金がないので我慢しようとしている若者に、そんな弱気でどうする、金借りてでも遊びに行かなくちゃ男じゃないと女に言わせているのだ。
何が「たまにはババンと、だ。」
南の島に行って、借りた金で散在するのをてめえは奨励するつもりか。
繰り返す、金がないから我慢している若者の態度はまちがってはいない。
どこの親が、金の無い時に遊びたいと思ったら、キャッシュローンで借りたらいいよなどと子供を教育するのだ。
どこの学校が、そんな安易な金の貸し借りを奨励するのだ。
テレビだけじゃないか、そんな間違ったメッセージを流しているのは。
シャレじゃすまないぞ、テレビ局はこんなCMを受けてはいけない。
金を借りるということは、過ちの第一歩だ。
私は質屋の息子だからよくわかる。
金を借りる前と、借りた後では、確実に心のタガの締め方が違うのだ。
借りたものは、その後、大抵の場合、それを自分の金だと錯覚してしまう。
返すのを忘れてしまう。
そして、いざそれを返さないといけないと思ったときから、実に往生際が悪くなるし、心のバランスも失いがちなのだ。
金を借りる人は、その前に金を借りる訓練をしておいた方がいい。
シミュレーションをしておいたほうがいい。
最初に借りた金を、もし自分の金だと錯覚してしまうと、返した後もすぐに金を借りないと心のバランスがとれなくなる。
また、その金が安易に借りられると言う状況になればなるほど、心のタガはゆるみにゆるみ、最初に借りた以上の金を知らず知らずのうちに借りてしまう結果になるのだ。
金を借りるサイクルに入れば、人は金を借り続けるという行為を抑えることができなくなる。
会社の経営者として、私自身も相当の借金をしているが、そりゃ毎月毎月金を返すのは辛い。
しかし、この辛さは耐えるしかない。
辛さに耐えられない奴は金を借りてはいけない。
学校もこういう教育を何故もっと強くやらないのだろう。
たまにはババンとだと!
お前らから借りた奴は、次にサラ金に行き、街金に行き、最後にヤミ金にぼろぼろにされるのだ。
銀行系なら、もうちょっと考えて広告しろ!あほんだら。
アイフルのチワワのコマーシャルは、まあ許したる、まさか金借りてまで犬を買うバカはいないだろう、え?テレビってすぐ真似する奴が出てくる?う?ん、そういわれてみれば・・・、安部邦雄