大阪でしか発行されていない、産經新聞の夕刊を読んでいたら面白い記事に出会った。
東京の電車に乗っていると、何かピリピリしたものがあるが、大阪の電車ではガラの悪い兄ちゃんは目立っても、あんまり危険な雰囲気はないというのだ。
確かに、東京の電車には誰が乗っているのかわからないという不安があるが、大阪の客は大体こういう連中だろうという安心感はある。
何故か?色々理由はあるが、重要なのは東京が武士の文化が中心で、関西は商人の文化が中心だということ。
で、人と人の距離は、東京では刀が届く距離が危険。
大阪では扇子でパチンと叩かれる距離が危険なのだとか。
なるほどねえ、東京ではどこから切られるかわからないので、刀の届く距離に見知らぬ人がいる場合不安になるというわけだ。
大阪には、拳銃ぶっぱなすヤバい連中もいるが、拳銃の安全距離なんて考えていたら生きては行けない。
扇子で叩かれる距離でなければ、ひとまず安心というのは、そうかもしれない。
暖かい信頼感が大阪人同士はあるというのは、結局文化的に商人だからなのだろう。
向こうから来る奴を「無礼者!」と言って切り捨てる文化は大阪にはないということだ。
士農工商なんてのも、ひょっとしたら大阪では全く話題にならなかった身分制なのかもしれない。
武士なんて少しも偉くはない、大阪人が政治家や役所をバカにするのは、きっと武士をバカにしていた名残りなのだろうと思った次第である。
とはいえ、産経夕刊が大阪だけで発行されているというのは、立派と言うか、何でだろう、というか、いつまで我慢できるかという気もするが、安部邦雄