京阪電車は9月にダイヤ改正をするらしい。
今までの人生で一番利用したのが京阪である私は、興味を持ってダイヤ改正の資料を手に入れた。
その第一のキャッチフレーズが、これ、「待たずに乗れます!」。
どこかで聞いたフレーズである。
そう、昔、阪神電車が使っていたのと同じだ。
待たずに乗れる阪神電車。
子供の頃、これを聞いて、「へえ?、阪神電車はいつも駅に電車が待っているんだ。」と勝手に錯覚していた。
待たずに乗れるというのは、駅に行けばいつでも乗れるという意味ではないことに気づいたのは、中学になってからだった。
つまり、競合している阪急とか省線(国鉄のこと、昔は鉄道省の線ということで省線と呼んだ)ほど待たずに乗れるという意味だったらしい。
戦前から使っていたそうだ。
で、その待たずに乗れるを、知ってか知らずか、京阪が使っているのだ。
他になかったのか、キャッチフレーズは。
オリジナリティのなさに少し落胆しながら、その待たずに乗れるダイヤ改正とやらを見てみた。
で、さらに落胆することを発見。
どこが「待たずに乗れるじゃ!」と幻滅を超えて憤りまで感じることに。
私が何に憤ったか、それはお知らせ(CM)の後で。
<CM20秒:手下ども、もっと働け編>
♪ペンギン.ノート?
ということで、京阪の9月ダイヤ改正。
何で、これで待たずに乗れるのか!?
こう書いてある。
昼間の特急・準急・普通をすべて10分間隔で運転!
つまり、1時間に特急を6本、準急・普通を各6本走らせ、ますます便利にと言うのだ。
今までは、特急は4本だった。
そうか、便利になるんだあと一瞬思った。
待てよ、ところで急行はどこ行った?
そう、急行がなくなったのだ。
朝夕のラッシュ時にはまだ急行はあるが、昼間は影も形もない。
それまで急行も1時間に4本、準急も同じく4本走っていたのだ。
何だ、特急の増発分も含めて、前と走る本数は同じではないか。
ちっとも増えていない、特急が2本増え、準急も2本増えるかわりに急行がなくなっただけではないか。
こ、これが目玉だと言うのか!
待たずに乗れるって、今までと同じではないか。
あまりのことに愕然とする私、しかし、さらに普通電車の内訳を見て、又々驚くことになる。
何に驚いたのか。
それはお知らせの後。
<CM20秒:もっと稼げ、給料払わんぞ編>
♪ペンギン.ノート?
増発のように思わせながら、実際は少しも増えていない新ダイヤ。
何が待たずに乗れるだとぼやいたその時?
普通電車の本数は6本だと先ほど書いた。
じゃ、現行はどうなのか、何と1時間に8本も走っているのだ。(えー!)
9月から毎時8本走っていた普通電車が2本も減るのだ。
ますます、待たないと乗れないではないか!
こ、これは詐欺だ、インチキだ。
確かに、どこにも増発とは書いていない。
待たずに乗れると書き、便利になると書いてあるが、本数を増やすとはどこにも書いていない。
京阪電車の思惑が透けて見える。
つまり、旅客数が減っているので、本数を減らしたいのだ。
これは、リストラなのである。
しかし、お客さんが減りましたとは決して打出せない。
そこで、広告代理店のぼけどもが苦し紛れに提案したのが、この台詞。
待たずに乗れる京阪電車
本数は減るけど、運行を工夫するから、まるで待たずに乗れるような体験ができますよと彼等は強弁するに違いない。
ああ、ショック、ああ、落胆。
わが愛する京阪電車は、こんなインチキをするところまで堕してしまったのか。
ここは一つ、京阪電車のユーザーである、上柴とおる先生のご意見を聞きたいところだ。
今日はひとまず問題提起にとどめ、この続きは又明日としたい。
京阪特急は京橋を出ると京都七条までノンストップというのが魅力だったのに、中書島に停まり丹波橋に停まり、今度は枚方市にまで、これでいいのか京阪電車、これじゃ田舎の私鉄と変わらんぞ!安部邦雄