三遊亭歌奴(現円歌)師匠の、「山のあなあな・・」と同じぐらい一世風靡した、「しんおおくぼー!」の新大久保。
大阪人で、小さな子供でもあった私でも、何故か知ってた新大久保。
何か、新宿のすぐ隣にあるんだよな?ぐらいは知っていた。
新大久保というぐらいだから、大久保というのもあるのかなと思ったら、総武線(黄色い電車)の駅にある。
やはり、新宿の次の駅。
新大久保は山手線である。
新大久保、こちらに来て初めて知った。
人口のほとんどは、外国人である。
色んな顔の人が、夜の街に立っている。
バブルの頃は、大久保通りは人で賑わっていた記憶がある。
歌舞伎町の延長というイメージか。
ハングルもあちこちに見られる街だ。
だが・・・。
昨日、久しぶりに新大久保の駅に降り立った。
普天間かおりという、沖縄出身のボーカリストのライブを見に行く為だ。
彼女のことは、ここではあまり触れない。
NHKの「蝉しぐれ」という時代劇ドラマの主題歌『遥かなる愛』がヒット中なのだとか。
歌はうまい、と言っておきます。
で、その新大久保、かっての賑わいはなくなっていた。
パラパラと立ちんぼはいたが、それでも昔の比ではない。
雨が少し降っていたからかもしれない。
食事に入った店(台湾料理の店)も、11時になっても客は私達と後ひと組だけ。
奥の予約席と書いたテーブルにはついに誰も来なかった。
これじゃ、店はやっていけないだろう。
歌舞伎町は、相変わらずの喧噪だが、その裏の新大久保は見る影もない。
こうやって少しずつ、街は寂れて行くのだろうか。
そういえば、銀座の裏通りも最近さえない。
六本木ヒルズ、汐留シオサイト、品川インターシティ、これらは大勢の人で賑わっているが、その影でどんどん衰退して行く街があるのだ。
東京は、ある意味元気で、ある意味病んでいる街だ。
その闇が、きっと地方に繋がっているのだろう。
東京は、決してバラ色だけに染まっているわけではないということだ。
前は、パナソニックグローブ座が新大久保にあり、演劇をよく見に行った、今は単にグローブ座という、パナソニック、つまり松下が金を出すのをやめたらしい、三国連太郎さんの舞台を企画してグローブを予約したのが8年前、結局台本ができず、公演は幻に終ったが、安部邦雄