JAS、日本エアシステム。
4月からだったか、完全に日本航空に統合される飛行機会社だ。
当初こそ、日本航空システムと名付けられ、合併した片鱗が見えたりしていたのだが、あっさりとシステムの部分がカットされ、元の日本航空になるという。
働いていたものには、やや辛い結果ではなかったろうか。
東京ー大阪便で、機内アナウンスに「この飛行機は日本エアシステムの機材と乗員で運行しています」という便がある。
JASの777機では、唯一全座席モニターがついている。
テレビゲームも利用できたりして、子供にも人気だった。
だが、今後はすべてJALに仕様が合わせられるのだろう。
合併の弊害と言う気分が否めない。
従業員はどう思っているのだろう。
日本航空は別名ナショナルキャリア、つまり日本を代表する飛行機会社と言われている。
JASより遥かにソーシャル・ステータスも高い。
ラッキーと思ったりするのか、それともやはり日本エアシステムへの愛着の方が強いのか。
少し前の話だが、住友銀行が平和相互銀行を吸収したことがある。
平相銀の従業員にとっては、地位は確かに上がったろうが、人事での境遇は下がるのは確かだった。
そのままいれば、支店長ぐらいまで出世できたかもしれないが、住友銀行員になることによって、そんな道も閉ざされたという。
JASの従業員も又、吸収された側の悲哀を感じるのかもしれない。
日本の労働者は極めてウェットな存在だ。
アメリカのように、実力で会社を渡り歩く風土はない。
基本的な文化の違いを無視して、今日もアメリカ流M&Aが当然のように行われている。
吸収される側は常に被害者になり、適当なところで放出されるのかもしれない。
まもなく、虹の色を配したJASの機体も消えてしまうことだろう。
JASよ、さらば。
ローカルキャリアの雄だった日本エアシステムよ、又逢う日まで。
JASは元東亜国内航空と言った、明日はそのあたりの話を、しかし今日も慌ただしい一日だったなあ、安部邦雄