昨日の続き。
トラウマ話はあまり書きたくないが、別のことを考えるのも面倒だから、書き飛ばす。
ブラスバンドで一番華やかなのは、運動会。
選手入場の先頭に立って行進したり、昼休みにドリル演奏したりして、実にかっこいい。(私が入部しようと思ったのは、兄の運動会を見に行って、絶対これやりたいと思ったからだ。)
中学二年の運動会の時だ。
楽器を音楽室に無造作に置き、休憩をとって帰ってきた私。
さあ、ドリル演奏だと思って、運動場へ。
マーチングが始まる。
え?何?どうしたの?
音がおかしいのだ。
そのキーを押すと、いつも出ていた音が出ない。
どうして?何があったと自問しながら、与えられた動きだけは何とか消化。
ご承知のように、ドリル演奏というのは歩きながら、さまざまな所作が加わる。
正しく円を描いたり、あのフレーズとともに反転したり。
私は、出ない音は諦め、何とかフォーメーションを崩さずに演技したわけだが、心ここにあらずという心境だった。
何故だ、何故音が出ない。
本当は、列を離れて楽器のチェックがしたかった。
だが、もちろん、30分はドリルを続けないといけない。
全然楽しくない、悪夢だ。
後で、チェックした。
一部が歪んで、穴を押さえるパッドがずれいている。
おそらく、誰かが私の楽器をいじっていて、床に落としたのだろう。
無造作に置いておいたのは間違いだった。
何たるミスだ。
私は、その日は、呆然として過ごした。
後日、この件を顧問に報告した。
しかし、私は、楽器がそのように変形したことは伝えたが、誰かが落としたとは言わなかった。
実はあまり、その顧問とは話をしたくなかったということもある。
誰かが落とした、その誰かを問いつめてくれ、と言った方がよかったのに、私はあえて言わなかった。
顧問も私に聞こうともしなかった。
それは、何故か。
う?、ま、それは又明日。
自分の思い描いていた理想の姿に程遠い運動会、納得出来ないというか、正直相当落ち込んだはず、最高にカッコイイ時間が、最悪の時間に、ああ、思い出すだけ鬱だ、安部邦雄